“老老介護”殺人 妻(78)「介護を長く続けられないと思い…夫が苦しんでいたから一緒に死んだ方がいいと…」

去年5月、広島県竹原市の自宅で85歳の夫の首を絞めて殺害したとされる78歳の妻の裁判…。事件はなぜ…。夫の介護をしていたという妻の被告人質問が9日、ありました。

起訴状によりますと竹原市の 中田妙子 被告(78)は去年5月、自宅のベットで寝ていた85歳の夫・光昭さんの首を、4本つなぎ合わせたネクタイで絞めて窒息させ殺害したとされています。

7日の初公判で中田被告は起訴内容を認めています。

きょう(9日)の被告人質問で、弁護側に夫を殺害した動機を尋ねられた中田被告は、「ベットから起き上がるときや排泄のとき、手助けしなければならず、自分も目や腰が悪く、介護を長く続けられないと不安に思った。そんなつらさから逃れたいと思った」「夫は体がしんどそうだった。自由がきかなくてかわいそうだと思った」「夫が苦しんでいたから一緒に死んだ方がいいと思った」と静かに話しました。

また介護の手助けを、3人の娘や、同居する息子に頼んだかという問いに対しては、「頼みませんでした。それは私の仕事だと思って。子どもたちには子どもたちの仕事があるので」とこたえました。

そして、今の気持ちを問われると、「子どもたちの父親をそんなふうにしたわけだから、本当に申し訳ないと思っている」と、夫と子どもたちに対し謝罪の言葉を口にしました。

被告人質問はあす(10日)もあり、判決は16日に言い渡される予定です。

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