ポジティブしか勝たん 寺岡沙弥香「結局、ガッツ」の5位発進

宣言通りの好発進!インタビューにも呼ばれた(撮影/谷口愛純)

◇アジアパシフィック女子アマチュアゴルフ選手権 初日(9日)◇シンガポールアイランドカントリークラブ(シンガポール)◇6343yd(パー72)

目標の2アンダーまで伸ばして迎えた9番(パー4)で、ティショットが派手な水しぶきを上げて池に入るのがハッキリ見えた。「ああ、もう帰りたい…」と肩を落としたが、寺岡沙弥香のガッツはそんなことでは揺るがない。

第3打の番手は8I。「得意なクラブ、ちょうどいい」と落ち込んだ気分は瞬時に戻った。ピンを狙ったショットは3mについてパーセーブ。「結局は、ガッツです」と元気に笑った。

「気持ちが浮ついていたのかも」と朝から1Wが不調。左へのミスを気にしながら「良かった、真っすぐ行った!」と毎回ヒヤヒヤのショットが続いた。半分近くがフェアウェイに収まらない中でも、アイアンショットでカバーしながら4バーディ、1ボギーの「69」でホールアウト。「これだけ調子が悪い中でも、アンダーで回れたのは自信になる」と日本勢トップの3アンダー5位につけた。

うまくいかないショットもこの笑顔(撮影/谷口愛純)

「まだ順位を意識する日ではないと思う」と心を落ち着けながら、優勝で得られる“副賞”は常に頭の隅にある。今年11月に待つ最終プロテストへ「世界アマチュアゴルフランキング上位10位までの者」のカテゴリーからの出場を目指してポイントを稼ぎたい。

現在のランクはちょうど10位。「2年前までランキング対象の試合にほとんど出ていなかったので、これからは上がるのみ。それもラッキーなんです」と今大会で優勝して海外メジャー出場権を獲得できれば、大きな上積みになる。

万全な状態とは言えなかったドライバーショットも、悲観的には見ていない。「伸びしろがいっぱいあるなって思います」。ポジティブシンキングは何より強い武器になる。(シンガポール・サイムロード/谷口愛純)

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