自ら決断 実行する力を 「日南市中学生憲章」制定

日南市中学生憲章の制定を報告した生徒ら

 日南市内の中学校10校の行動目標「日南市中学生憲章」が制定された。前文と本文の2部構成で、自らの行動を決断し実行する力「自己指導能力」を身に付けるための項目が並べられている。4月から各学校で施行される。
 2022年度から市内の公立中学校の制服が統一されることを受け、各校が校則見直しを見据える中で、その基盤となる憲章づくりを約1年かけて行ってきた。10校の代表生徒や保護者、教職員で構成される「市校則検討委員会」がワールドカフェの手法で話し合い、「市生徒指導連絡協議会」で審議。市中学校長会の承認を得て2月に制定された。
 憲章の前文は「…美しい郷土の自然や歴史、文化を愛し、新しい時代を積極的に切り拓(ひら)く心身ともに調和のとれた中学生をめざし…」と記している。
 本文は5項目の箇条書きで、各文の冒頭には「誠」「尊」「夢」「挑」「律」と文章の意味を一言で表す文字を置いた。「誠」は「誠の心を忘れず、自分にも他人にも誠実な中学生になる」、「尊」は「個性や感性の違いを尊重し、多様性を認め合える中学生になる」、「挑」は「失敗をおそれず、何事にも粘り強く挑戦する中学生になる」などとしている。
 7日は市教委で報告会を実施。同委員会の代表生徒である南郷中3年の3人が都甲政文教育長らを前に、制定までの経緯を説明し、憲章を朗読した。新留海羽さん(15)は「中学生のあるべき姿について意見を交わしながらつくった。これからの時代を担う中学生にぴったりだと思う」、同協議会の水尾彰太理事長(南郷中教諭)は「生徒、保護者、教職員が一体となり、それぞれの思いが込められた素晴らしいものが出来上がった」と話した。

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