従業員継続、客は任意? マスク緩和でどうする神奈川企業 顧客トラブル懸念も

口紅を提案するそごう横浜店のスタッフ。マスク着用のルール緩和を見据え、購入客が増えているという=横浜市西区

 新型コロナウイルス禍のマスク着用ルールが13日から緩和され、個人の判断に委ねられることになる。企業も対応を検討。不特定多数が利用する小売りや金融機関、鉄道事業者などは従業員のマスク着用を継続しつつ、客には着用の「お願い」をやめるケースが多い。企業からは、使用頻度が少なかった口紅などの消費拡大に期待を寄せる声の一方、マスクを巡る顧客間トラブルへの懸念も聞かれる。

 政府方針により、13日からは屋外だけでなく屋内についてもマスク着用が個人の判断に委ねられる。大手スーパーやコンビニエンスストアなどは客に対し着用を求めない方針で、外食業界もマスクなしの入店を認める方向。交通機関は、航空、鉄道、バスの各業界団体が機内や車内でのマスク着用は個人の判断とする方針を明らかにしている。

 横浜高島屋(横浜市西区)や横浜銀行(同)なども感染拡大防止の観点から従業員は引き続きマスクを着用、来店客への「お願い」はせず任意とする。

 ある金融機関は職員も任意とするよう検討したが、感染再拡大を懸念し見送った。他行の方針を確認し、「右ならえ」の安全策を取った。県内に店舗を展開するきらぼし銀行(東京都)も職員は原則着用の方針。接客時に会話が聞き取りづらいとの相談もあったといい、客側の同意があれば外せるよう柔軟に対応する。小田急電鉄(同)は、従業員の着用は継続するが乗客には求めず、「混雑した車両を避けるようお願いする」という。

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