女性客が増加中!「オーダースーツ」 自分のためだけの1着求め…

新年度になると入学式や入社式、新社会人になって…と、スーツを着る機会が増える人も多いのではないでしょうか。こうした中、いまオーダースーツを作る女性が増えているということです。店舗を取材しました。

銀座にあるオーダースーツの店「オーダースーツSADA plus」では新年度を前にした毎年2月に来客のピークを迎えます。男性客が多いイメージのオーダースーツですが、銀座店のスタッフ・山口芽生さんは「男性客がメインだが女性客も増えていて、新入社員の人や卒業式、式典用で購入する人もいる」として、女性客の割合が増えていると話します。店頭には女性を意識したポスターも飾られています。

この日も広告業界で働いているという女性が来店しました。人前に立つ機会も多いため、初めてのオーダースーツを作ってみようと思ったそうです。女性客は「女性はワンピースを着ている人も多いが、かっこいいスーツを着てパリッとするのもいいなって思って。既製品だと肩の幅が合わなかったりするのが嫌で、せっかくの機会なので自分に合ったものを作りたいと思った」と語りました。

スーツをオーダーする過程を見せてもらいました。まずは生地選びです。スタッフから「女性向けでは、ブラウン系が人気ですね」というアドバイスをもらいながら、色味や材質の違う生地を鏡の前で何回も合わせ、悩んだ末、チェックの入った生地に決定しました。さらにポケットの位置や袖の形、裏地の色やボタンの種類など、まさに自分だけのお気に入りの1着をオーダーしていきます。デザインが決まれば最後に採寸です。試着用の上着を使い、体形のカバーしたいところを店員が聞き出し、立っても座っても美しく見えるシルエットを導き出してくれます。女性は「既製品だと『ここが嫌だな』といった部分も出てくるがそういうことがなく、全て選べる。すごくいいものができそう」と喜びを語りました。

この企業では、女性にこそフルオーダーのスーツを利用してほしいと話します。オーダースーツSADAの佐田展隆社長は「女性のテーラードスーツが号数だけで売られているのは信じられなかった。号数は、身長とウエストだけで決まっている。肩幅と胸幅のバランスの違いといったバリエーションは女性の方が多いのに"何号”だけで何とかしていることに無理がある」と指摘します。さらにオーダースーツには、環境への配慮を考えた時にも選ぶメリットがあるといいます。佐田社長は「既製服は大量生産するとどんなにうまくいっても3割ぐらいは売れ残る。そして売れ残りをほぼ焼却処分にしていることが大きな課題となっている。その点、オーダースーツは注文を受けてから作るので、焼却処分がほぼ出ないのがオーダーのいいところ」と利点を強調します。

"自分のためだけの世界に1着しかないオーダースーツ”をこの春、試してみるのもいいかもしれません。

<価格は2万円台から お気に入りを大切に着て"地球にも財布にも優しく”>

取材したこの店舗では2万円台からと、価格の面でのハードルも下げるよう努力しているということです。お気に入りの1着を大切に長く着るということが、結果的に"地球にも財布にも優しい”のかもしれません。

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