「アカデミーハウス」入居者が1年間の成果を発表 羽根拓也さん講演も 3月19日

 山口市産業交流拠点施設内に2021年4月に設置された居住型人材育成施設「アカデミーハウス」の2期生による「成果発表会」が、3月19日(日)にKDDI維新ホール(山口市小郡令和1)で開かれる。時間は、午後1時半から4時まで。参加は無料で、希望者はウェブサイトから申し込む。締め切りは3月17日(金)で、定員は先着600人。

▲昨年の成果発表会

 最初にアカデミーハウスの概要の説明があり、次に同施設の「シニアディレクター」を務める小川仁志山口大学国際総合学部教授が「『P.C.Tプログラム』 今、なぜ必要か」の演題で話す。同施設独自の「P.C.T.プログラム」とは、哲学をベースにした時間共有型のキャリア開発プログラムだ。

 続いて、2022年4月1日から入居している18歳から31歳までの2期生14人による「PBL(課題解決型学習)成果発表会」。彼らは、大学生、専門学校生、社会人、起業予定者らで構成されており、入居期間は今月末まで。「山口をよりよく活性化」させるために、「P.C.Tプログラム」を学びながら、3グループに分かれて1年間活動してきた内容を発表する。グループ名と活動内容は次の通り。

  • 「enJoin(エンジョイン)」=「山口に〇〇がない」という発想を問題視し、逆に「あるもの」(=農産物)に着目。規格外野菜の有効活用と、山口の魅力発信も合わせて行うプロジェクトを考案
  • 「オープンサンドイッチ」=「若者の流出」を山口市の課題と考え、県内就職者を増やそうと、県内企業の魅力を体験する場の提供を企画
  • 「!EATER'ず(ビックリエイターズ)」=若者が山口から離れ「新しいものや考え方が入ってこない」という問題に着目し、現状を変える行動ができる若者の育成が必要だと考える

 締めくくりは、羽根拓也さんによる特別講演「AI時代到来、どんな人が生き残っていけるのか?」。

 羽根さんは、日本の塾・予備校で指導後、1991年に渡米。ハーバード大学やペンシルベニア大学などの名門大学で日本語講師を務めた。その傍ら、「学ぶ力」を伸ばしたうえで「教科」を教える教育手法を開発。その方法は米国の大学生から高く評価され、1994年にハーバード大学から「優秀指導証書」が授与された。帰国後、1997年に人材育成会社「アクティブラーニング」を設立。国内外の大手企業、公的機関、教育機関などで能動的人材の育成に取り組み。近年は、人材育成にとどまらず、新規事業構築、産業育成、社会改革などさまざまな分野でのコンサルティングやプロデュースに従事している。2009年には、山口大学の客員教授として地方創生プロジェクト「にっぽんの宝物」を立ち上げ。同大でのセミナーからスタートしたプロジェクトは、全国大会・世界大会の開催や、ECサイトのオープンなど、その後大きく成長。全国の素晴らしい商品の発掘、国内外への紹介、販売支援を行っている。

 講演では、自ら学ぶことや、他者と交わることなどを以前から実践してきた羽根さんが、これからの時代を生き残っていくための可能性について、参加者と対話する形式で話す。

 アカデミーハウスは、現在3期生(2023年4月1日から2024年3月31年まで利用)を追加募集中。対象は1991年4月2日から2005年4月1日までに生まれた人で、山口県内で就学・就業している、または山口市へのUJIターンを希望していることが条件。締め切りは4月30日(日)。4月1日から入居までに行われたカリキュラムは、補習で追いつける。

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