23年度予算は子どもの安全対策に力 水害対策に「流域治水」の考えを【検証・静岡県議会】

静岡県議会2月定例会は3月10日最終日を迎え、2023年度の当初予算案などを可決し、閉会しました。子どもの安全対策、災害対策…山積みとなった課題にどう対応するのか、和田記者が検証します。

<和田啓記者>

「川勝知事自ら『SDGsのフロントランナー』としての静岡県を実現すると力を込めた今回の予算案。一般会計で過去最大の1兆3703億円となる2023年度の当初予算案をはじめとした議案が可決されました」

予算では、牧之原市のバス置き去り事件や裾野市の園児虐待事件を受け、再発防止のため不足する保育士と保育支援者の配置拡充などに約4億円を盛り込みました。

さらに、新型コロナ対策費に600億円、2022年の台風15号による被害を受け、氾濫した川の災害対策などに25億円が計上されました。ただ、水害の激甚化に対応するには河川の上流から下流に至るまで、まちぐるみで流域全体の水をコントロールする「流域治水」の考え方を浸透させることが大切で、社会教育や関係者の意識改革など長期的・多角的な取り組みも今後、必要になりそうです。

また、浜松市の沿岸部に建設予定の野球場については調査費3000万円が盛り込まれていますが、ウミガメへの影響の懸念から「ドーム型」か「照明のない野外球場」で議論が続いていて尾を引きそうです。

<和田啓記者>

「静岡県議会は任期中最後の定例会が閉会し、立候補を予定する現職議員は本格的な選挙モード。4月9日投開票の静岡県議選で県民の意思が示されます」

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