延岡信金が余った食品募り、子ども食堂へ寄付

寄付された食品を延岡信金の担当者(右)から受け取る子ども食堂の担当者

 延岡市の延岡信用金庫(黒木哲也理事長)は、家庭で余った食品を募り市内の子ども食堂6施設へ寄付する「フードドライブ」に取り組んでいる。市内8店舗で常時受け付けることで寄贈しやすい環境をつくり、地域に活動の輪が広がることを目指す。創業100周年記念事業の一環で、持続可能な開発目標(SDGs)の推進にもつなげる。
 受け付けているのはコメや缶詰、レトルト食品、菓子などといった賞味期限2カ月以上の常温で保存できる未開封の食品。各店舗の窓口で受け取って検品を行い、同信金本部が月1回回収する。本部で集計、一覧表を作成し食品をバランスよく振り分け、毎月子ども食堂に贈呈している。
 食品の提供を受ける施設側は取り組みを歓迎する。子ども食堂「土曜給食」や子ども宅食に取り組む市民団体「子どもネットワークのべおか」の堀之内健吾理事長(49)は「貧困家庭にお菓子を持って行くと子どもは喜ぶ。レトルト食品があると、親が子どもに時間をかけられる」と感謝。検品されていることから施設での作業効率化につながっているとし、「フードロスや子どもの貧困問題について市民の関心が高いことは素晴らしく、ありがたい」と取り組みの広がりにも期待する。
 同信金業務部の甲斐義徳推進部長は「(フードドライブは)お金を預かり地域で必要な人に活用してもらう信金の業務に通じる考え。多くの企業に取り組みが広がれば」と話している。

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