WBC代表・DeNA今永が登板 高いプロ意識で成長 体づくり担うトレーナー高橋さん「元気に投げてほしい」

横浜DeNAベイスターズ今永投手(左)の自主トレーニングで指導するトレーナーの高橋さん=1月、熊本県天草市

 ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)日本代表で横浜DeNAベイスターズの今永昇太投手(29)が、10日に行われた韓国戦に登板した。大会前に「元気に投げる姿を見せてほしい」と思いを込めていたのは横浜市出身で専属トレーナーの高橋純一さん(46)=J.T.STRENGTH&CONDITIONING代表取締役。一緒につくりあげてきた強靭(きょうじん)な肉体で、ハマのエースは今大会、世界の強打者と勝負していく。

 第一印象は「こいつ、何も分かってないな」。高橋さんがベイスターズで2軍チーフトレーナーを務めていた2016年。ルーキー今永が握りしめていたペーパーは、高卒選手が取り組む基礎メニューだった。

 「しっかり者」と感じた一方で、トレーニングは「高校生以下」。高橋さんはこの年限りで球団トレーナーを辞めたが、今永から連絡を受けて個人契約を結んだのはそれから2年後。わずか4勝に終わった18年のオフのことだ。

 早速体をチェックすると、筋肉量の左右差が顕著で、連動動作を必要とする柔軟性も低い状態だった。プロとしての心構えも甘いと見抜いた。「今永だから分かっているだろうと思われる。彼はそういう雰囲気を持っている。藁(わら)にもすがる思いで来たと言っていましたね」

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