今夜も幻想的!ライトアップ31日まで 川越の寺、トルコ・シリア地震の復興願う ひどい現地「何かしたい」

トルコ国旗の色にライトアップされた本堂

 トルコ南部を襲った大地震は、発生から6日で1カ月が経過した。これまでに、トルコと隣国シリアでは計5万人以上が死亡。被災地を支援しようと、埼玉県川越市小ケ谷の最明寺は9日から、本堂のライトアップなどを始めた。

 復興を願う活動を企画したのは、寺の副住職千田明寛さん(34)。千田さんにはトルコ出身の知人がおり、現地から伝わってくる被害状況を聞き、心を痛めていた。「生き残った人も厳しい寒さの中で避難を続け、ひどい状況に置かれていると知った」と千田さん。ところが、市内では目立った救援の動きが出てこないと感じ、「他者の苦しみを自分事として考え、行動するのが仏教の本質。何かできないか」と立ち上がった。

 最明寺は乳がんの早期発見や治療を啓発する10月の「ピンクリボン月間」などに本堂を照らしてきたことから、トルコの国旗をイメージして赤白の照明でライトアップ。境内に置いた花手水(はなちょうず)をトルコとシリア国旗のデザインに飾り付け、「絆」と書かれた御朱印の頒布も開始した。

 志納金の一部は、日本赤十字社などを通じて被災地に寄付するという。千田さんは「東日本大震災の時は、トルコからも支援をいただいた。震災から12年となるが、今度は私たちが恩返しをする番」と賛同を呼び掛けている。

 支援活動は31日まで行い、ライトアップは午後6時から同9時まで実施。問い合わせは、千田さん(電話050.3591.4287)へ。

(手前から)シリア、トルコそれぞれの国旗をデザインした花手水と特別に頒布する御朱印を持つ千田明寛さん=9日、川越市小ケ谷の最明寺

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