首都圏最悪の津波被災地 千葉・旭市で祈念の集い 世代超えた継承を誓う

震災の教訓をかみしめ、犠牲者に黙とうをささげる被災者ら=11日午後2時46分、千葉県旭市

 東日本大震災で14人が死亡(関連死1人を含む)、2人が行方不明となり、首都圏最悪の津波被災地となった千葉県旭市の飯岡地区では11日、震災遺構の仮設住宅の敷地で祈念の集いが開かれた。被災者らが紙芝居や詩の朗読を通じてあの日の教訓を振り返り、世代を超えた継承を誓った。

 仮設住宅は被災者が退去した後の2014年、津波で浸水した海辺の一画に移築され、伝承の活動を担う地元のNPO法人「光と風」(渡辺義美理事長)が保存、公開してきた。昨年、活動に賛同する地権者から敷地の無償提供を受けることができたため、NPOはこの日を再出発の日と位置付け、集いを開いた。

 犠牲者の数に合わせて追悼の鐘を16回鳴らし、午後2時46分のサイレンを合図に黙とうをささげた。献花の後、津波にのまれ離れ離れになりながら命を守った母子の実話を基にした紙芝居を披露した。

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