3月11日、アメリカ・フロリダ州のセブリング・インターナショナル・レースウェイでWEC世界耐久選手権の開幕前公式テスト『プロローグ』が開幕。走行初日は2セッションが行われ、トヨタGAZOO Racingの7号車GR010ハイブリッドが総合最速タイムを記録した。
フェラーリ499P、ポルシェ963、キャデラックVシリーズ.R、ヴァンウォール・バンダーベル680を新たに迎えたハイパーカークラスの勢力図がいよいよ露わとなった走行初日。セブリングのパドックから、各種トピックスをお届けする。
■最多周回はトヨタ7号車
2日間にわたって開幕戦の地・セブリングで行われる公式テスト初日、トヨタ7号車は11台のハイパーカークラス車両のなかで、最も多くの周回をこなした。マイク・コンウェイ、小林可夢偉、そして最速タイムを記録したホセ・マリア・ロペスの3人は、140周を走り込んでいる。
これに続くのはセバスチャン・ブエミ/ブレンドン・ハートレー/平川亮の8号車で138周。以下フェラーリAFコルセ51号車フェラーリ499Pの126周、ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツの5号車ポルシェ963が110周で続いた。
全クラス総合ではLMP2のチームWRT41号車オレカ07・ギブソンが最長距離を走破。彼らは150周を走り込んでいる。また、LMGTEアマでは木村武史も参加しているケッセル・レーシングの57号車フェラーリ488 GTE Evoが最も長い距離を走った。
セッション2では、プジョー・トタルエナジーズの93号車プジョー9X8がホームストレートでベクター・スポーツ10号車との接触によりダメージを受け、12周の走行にとどまっている。プジョーはマシン右サイドとスプリッターにもダメージを受けた。
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LMGTEアマクラスにエントリーするコルベット・レーシングのドライバー、ニコ・バローネは、コルベットC8.Rを完全に乗りこなすには、時間がかかったと認めている。
「フェラーリのでの経験をすべてコルベットに活かそうとしていたんだけど、最初に走ったときはうまくいかなかった。低速コーナーでのオーバーステアに悩まされていたんだ」
「周回を重ねていくうに、本当に良くなっていったけどね」
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開幕戦のドライバーラインアップが唯一固まっていないLMGTEクラスのノースウエストAMR98号車アストンマーティン・バンテージAMRでは、テスト初日はアクシル・ジェフェリーズがステアリングを握った。2日目は4人目のドライバーとしてテストにエントリーしているトーマス・メリルがドライブする予定だ。
このふたりのシルバードライバーのうちいずれかがニッキー・ティーム、ポール・ダラ・ラナとともに第1戦に参加することになっており、ダラ・ラナによれば1年間同じラインアップを維持する意向であるという。
なお、メリルとポルシェ・ペンスキー・モータースポーツのケビン・エストーレだけが、テスト初日に1周も走行しなかったドライバーとなっている。
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アーマド・アル・ハーシーは、TFスポーツからWECデビューすることについて「夢が叶った」と表現している。このオマーン人ドライバーは、英国チームとともに、ブリティッシュGT、GTWCヨーロッパ、ヨーロピアン・ル・マン・シリーズなど、さまざまなカテゴリーでレースをしてきた。
アル・ハーシーはWECに参戦するのは初めてだが、長い時間をかけて準備してきたことで、このシリーズに取り組む準備はできていると感じている。
「ずっと一緒に仕事をしてきた仲間たちだから、その意味では何も新しく感じない。僕自身はそのおかげで、このプログラムを進めるのが少しスムーズになった。新しいプロジェクトでありながら、正しい土台があるように感じているんだ」
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2日目となる12日日曜日にも、午前に3時間半、午後に3時間という2回のセッションが行われる予定だ。