仲間を持つ意味 玉寄智恵子・琉球WILL代表社員 <仕事の余白>

 「お疲れさまです!」。出先から帰ると一斉に声が掛かる。負けじと私も大きな声であいさつしてしまう。なんて気持ちがいいのだろう。昨年社労士法人を設立してから、法律事務所のメンバーに囲まれて仕事をすることになり、私の働く環境は1人事務所から大きく変わった。あいさつなんて当たり前のことだ。しかし、元気なあいさつは社外の人だけでなく、隣席で働くメンバーのためでもあることを十数年ぶりに思い出し、そして、仲間ができたことに微笑(ほほえ)んでしまう私がいた。

 おかしいな? 私は組織に属することが無理な人間だったのではと首をかしげる。大阪のOL時代、会社のルールに疑問を感じることが多々あった。「社内の階段のライトは来客時以外、点灯しない」そして私は暗くて転倒した。「布巾を洗う石鹸(せっけん)は固形」走って買いに行かされた。これらのことに疑問を持つ自分に、いつしか組織に属せないと判断したのかもしれない。

 その一方で、他の社労士事務所をみると、一緒に成功を分かち合い、相談しあえる仲間がいる環境にうらやましく思う自分もいた。10年以上1人で仕事をしていると自由な働き方ではあったが、孤独だったのかと気づく。この気づきも、仲間を持つ意味も、組織のことも、この連載を通して、自分を振り返り、自分を開示していくことで、さらに落とし込めた気がする。

 今は、自分の選択を正解にすべく行動あるのみだ。恵まれた機会をいただき、また私の背中を押していただきありがとうございました。

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