“テスト不足”のトヨタ、開幕戦後にセブリングで3日間の耐久走行を実施へ。今季のカレンダー変更が影響

 WEC世界耐久選手権に参戦しているトヨタGAZOO Racingが、第1戦セブリング1000マイルレース明けの月曜日から3日間、セブリング・インターナショナル・レースウェイでテストを予定していることが分かった。

 トヨタは3月17日金曜日に決勝レースが行われるセブリング1000マイルに出走する2台のGR010ハイブリッドに加え、1台のテスト車両をフロリダに持ち込んでいる。ハイパーカーに参戦する6名のドライバー全員が周回を行う予定で、今季テスト&リザーブドライバーとなった中嶋一貴TGR-E副会長も出席する予定だ。

 トヨタのWECテクニカルディレクターであるパスカル・バセロンはSportscar365に対し、このセブリングでの走行は、5月にスパ・フランコルシャンで行われるル・マン向けのシェイクダウンを除けば、24時間レース前最後の適切なテストになると語った。

 ハイパーカークラスの現チャンピオンであるトヨタは、2023年向けにアップデートされたGR010ハイブリッドで2度の耐久テストをヨーロッパで実施し、セブリングでの公式テスト『プロローグ』と開幕戦に乗り込んでいる。

「夜通し走ることはできないが、3日間にわたって耐久走行を行う」とセブリングにおけるテストについてバセロンは語った。

「今年はほとんどテストをしていない。3回目のテストが必要だったのだが、問題は(第2戦)ポルティマオの日程で、我々のテストが計画されていたことだ」

「ポルティマオがカレンダーに入ったとき、シーズン最後のテストを変更せざるを得なかった。唯一の解決策は、この(セブリングの)レース後に行うことだった。チームにとっては理想的なことではなく、とてもタフだ」

WEC公式テスト『プロローグ』でセブリング・インターナショナル・レースウェイを走行するトヨタGR010ハイブリッド

 トヨタは過去にもテスト不足を公言しており、バセロンは昨年11月、ハイパーカーのライバルたちがホモロゲーション取得に向けた準備として集中的にサーキットを走行している状況に比べて「後手に回っている」と述べていた。

 テスト規定では、フェラーリ、ポルシェ、キャデラック、ヴァンウォールの新規参入組は今年、最大20日間のテストが可能で、1台がコースに出れば1日とカウントされる。

 プジョーは昨シーズンのWECに途中参戦していたため、その割り当てが若干少なくなっている。

 一方、トヨタは今年、12日間にテスト走行が制限されているが、その割り当てをすべて使用することはないと見られている。

 このテスト制限では、シェイクダウンなどの『特別テスト』、タイヤサプライヤーのミシュランが主催するテスト、プロローグやル・マンのテストデーなどの公式セッションは除外されている。

 バセロンはセブリングのテストについて、「これが本当に、我々にとっては最後の適切なテストセッションでだ」と述べている。

「残念ながら、我々のテストは他のマニュファクチャラーよりもはるかに少ない。 少し難しくなるが、我々のWECでの経験は少し多い。 だから、バランスがとれることを願うばかりだ」

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