ミンウ・リー PGAツアー初優勝はお預けも17番で人気者に

ミンウ・リーは大観衆の前でのプレーを楽しんだ(撮影/田辺安啓(JJ))

◇米国男子◇ザ・プレーヤーズ選手権 最終日(12日)◇TPCソーグラス ザ・プレーヤーズ・スタジアムコース(フロリダ州)◇7275yd(パー72)

慌ただしい一週間の終わりには、すっかり人気者になっていた。ブーイングにも似た“ウー(Woo)”のうなり声はファンから24歳へのエールとして定着。ミンウ・リー(オーストラリア)のPGAツアー初勝利はお預けになったが、新天地への扉を開く6位フィニッシュになった。

最終組でスコッティ・シェフラーを追い、出だし1番で2mを沈めてバーディ発進。スタート時の2打差は、相手がボギーにした3番(パー3)でなくなったが、直後の4番で3つに広がった。4番の3打目でクラブが芝に引っかかり、グリーン手前のクリークにつかまって痛恨のトリプルボギー。「ボギーならともかく“7”では…良いスタートだっただけにすごく残念」。目の前の敵をラクにさせ、劣勢を強いられた。

スコアを伸ばして食い下がりたい後半11番(パー5)では、1Wショットを大きく左に曲げてダブルボギーをたたいた。「66」で回った前日から一変して「76」でホールアウト。「きのうは世界一のスイングをしていたように感じたけれど、きょうは良い感じがなかった。おかしなものだね」

PGAツアーで自己最高の6位フィニッシュ(撮影/田辺安啓(JJ))

女子メジャー2勝のミンジー・リー(オーストラリア)の弟は、欧州ツアーで通算2勝を挙げ、次の目標はPGAツアー進出。単独4位以上に入ればゲットできたスペシャルテンポラリーメンバー(推薦出場の試合数制限が撤廃される)の資格獲得も次の機会に持ち越しとなったが、米国のファンはきっと多くなった。

スタート直後からギャラリーにハイタッチで応じるなど、旺盛なファンサービスで場内を盛り上げた。「スコッティはたくさん勝っているから、みんな(下馬評の低い)“アンダードッグ”が勝つところ、良いプレーをするところを見たいはずだと思った。スコッティのファンばかりだけど、僕は楽しめたよ」

名物パー3の17番では、第1打でグリーン中央から下り傾斜でピンに向かったボールを大観衆と一緒にあおり、2mのバーディパットも決めて大歓声。「16番、17番、18番…すごい数の人だった。最高だった」と胸を熱くした。(フロリダ州ポンテベドラビーチ/桂川洋一)

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