春のセンバツ甲子園 「日本一の元気」で一戦必勝の大分商業 【大分県】

18日に始まる「第95回選抜高校野球大会(センバツ)」に出場する大分商業の仕上がりは順調だ。「日本一の元気」を合言葉に、練習から大きな声が飛び交う。キャプテンの大道蓮(2年)は「対戦相手が作新学院(栃木)に決まり、緊張感のある練習ができている。自分たちの野球である守備から流れをつくりたい。最少失点に抑え、少ないチャンスをものにしたい」と、憧れの甲子園での勝利を思い描く。

昨秋の九州地区大会でベスト4入り、センバツの出場を決定づけた大分商業は、派手さはないが投手を軸とした守り中心の野球で勝ち上がった。責任感が強く、キレのあるストレートを中心とした投球で試合をつくる児玉迅(2年)と勝負度胸があり、コントロールに優れた飯田凜琥(同)の2枚看板が投手陣を引っ張る。12日の練習試合で4回を1失点に抑えた児玉は「四球から失点した時の(投げる)感覚は悪くはなかった。甲子園ではいつも通り、一戦必勝でマウンドに上がりたい」と手応えを示した。

守備から流れをつくりたいと語った大道蓮

打線は九州地区大会が終わってから、体づくりに力を入れ、筋力アップとともに飛距離を伸ばした。ほとんどの選手が5kgの増量に成功し、体はひと回り大きくなった。その代表となるのが、4番を任せられている羽田野颯未(2年)。182cm、105kgの大型スラッガーは、芯で捉えればスタンドまで軽々と飛ばすパワーを身に付けた。大道も食事と筋力トレーニングで最大9kgまで体重を増やし、長打が打てるようになった。「(昨年の)秋の大会まで内野安打の多いチームだったが、長打が打てるようになり小技がより効くチームになった」(大道)と話す。

投打のバランスは良く、守備もミスが少ない。長吉勇典部長は「センバツ出場が決まってから一つ一つのプレーの質が上がった。キャッチボールから送球の質にこだわれるようになった。ビッグプレーはないが、全員がチームのために堅実にプレーできる。『日本一の元気』は自然発生した言葉だが、このチームに合っている。見ている人に感動を与えるプレーで、大分商業らしい野球を見せてくれるはず」と充実感をにじませた。

センバツに向けて仕上がりは順調

(柚野真也)

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