<南風>誰にでもある四つの性

 去る3月5日に、県の事業である「絵本と工作で楽しむ性の多様性」の催しが終了した。南部、北部、中部で開催された。来場者の感想アンケートからも好評だった。私の役目は、絵本選定や、紙芝居監修などだったが、苦戦したのは物語の中に、四つの性を盛り込むことだった。物語製作は経験がないので、私自身も学びになった。

 お声かけをしてくださった丸正印刷さんに感謝している。この紙芝居の作品名は「いろんな家族 いろんな出会い」だ。非売品で、南風原町立図書館、名護市立中央図書館、浦添市立図書館で貸出している。ぜひ読んでほしい。

 あなたにも、四つの性がある。多様性の活動を始めて知った言葉だ。四つの性とは、身体的性(生まれ持った性)、性自認(自分の性別をどのように捉えているか)、性表現(服装やしぐさなど)、性的指向(好きになる性別。人を好きにならない人もいる)。

 これをまとめた言葉がSOGIESC(ソジースク)という。当初はLGBTQを知ってもらおうと活動していたが、今は「ソジースク」をたくさんの人に知ってほしいと活動している。

 性の多様性を学び始め、やっと「自分らしさ」というものを見つけた。私のソジースクを深掘りしていくと、「身体的性」は女性。「性自認」は男でもない女でもない。ただ胸はいらないと思っている。「性表現」は中性的な格好を好む。「性的指向」は男女どちらも好きになるバイだ。

 服を選ぶのに困ることが多々ある。私の次なるステップは、私のような方が着こなせるジェンダーレスなユニセックスブランドを製作したり、セレクトショップをつくったりすることだ。今やっている新事業の「珈琲バル イプル」が落ち着いたら、社会課題解決として、性の多様性の問題を、服を通し発信したい。

(比嘉利加、フリーランス)

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