地域格差をなくし、子どもが主体的に成長できる環境を整えたい!元・多気町議会議員 松浦けいこ氏(PR)

三重県の中心部に位置する多気町で町議会議員を3期務めた松浦けいこさん。議員となったのは、26年前に都市部から引っ越してきたときに感じた地域格差で苦労した経験があるからだといいます。3児の母、製薬会社の経営者としての顔も持つ松浦さんは、これまでの自身の経験や周りの子育て世代の声を基に考案した、行政の福祉サービスや教育をさらに向上させるアイデアを持っています。これまでの取り組み、そしてこれからの三重県について考えていることを伺いました。

仕事と子育ての両立に立ちはだかった地域格差

選挙ドットコム編集部(以下、編集部):

松浦さんは昨年12月まで多気町議会議員を3期連続で務められていました。政治の道に進もうと思ったきっかけを教えてください。

松浦けいこ氏(以下、松浦氏):

約26年前、私は阪神淡路大震災の被災後に、当時住んでいた神戸市から、この多気町に家族と移り住んできました。多気町は水と空気がきれいで、伊勢自動車にもアクセスしやすい立地にあります。私は製薬会社を営んでいるので、住むのにも働くのにも、とても魅力的で便利なまちだと思っています。

ただ、多気町には0歳児保育や延長・早朝保育、学童保育などが十分にありませんでした。

学校から自宅まで距離が離れているので、子どもの送り迎えも必要になりました。神戸市では受けられていたサービスが多気町では受けられないという地域格差に直面し、子育てと仕事を両立するために大変な思いをしました。

私は経営者ですので、まだ時間の融通が利きやすい方だと思います。この経験から、まずは自社の就業規則を変えて、育児・介護休暇などを導入して女性も働きやすい環境づくりをしてきました。

しかし、社会的に広げる必要があると感じ、3人の子どもの子育てがひと段落したタイミングで、政治の道にチャレンジしました。

編集部:

町議を3期務めてきた中で、多気町はどのように変わりましたか。

松浦氏:

私一人が成し遂げた事では決してありませんが、町議会で0歳児保育の実施や学童保育の設置を訴え続け、町も取り組んでくれるようになりました。並行して、保育サービスの選択肢を広げるために、民間が運営する認可保育所も積極的に誘致しました。

一昔前は大家族の世帯が多く、家族で子育てをする家庭も多かったようですが、最近は働きながら子育てをする町民が増えてきたと感じます。

私が子育てに悩んでいる時には、同世代のママ友や近所に住むご高齢の方にたくさん支えられてきました。町議会議員として子育て支援策の実現を働きかけてきたのは、お世話になった皆さんや町への恩返しでもありました。

子どもたちの主体性を伸ばす訓練こそ、教育には必要です

編集部:

今後はどのような政策実現に取り組んでいくお考えでしょうか。

松浦氏:

福祉と教育の充実に、引き続き力を入れていきたいです。

障がい児の有無に関わらず、子どもたちがともに学ぶ「インクルーシブ教育」の充実については、教育現場で障がい児の生活を支援する学校支援員の増員のための予算確保を求めてきました。

また、学校支援員以外の専門人材の配置は県の役割となるため、町だけの取り組みではできず、現場の実情を県政に届ける必要があります。

編集部:

そもそも専門人材が不足していることも行政課題となっています。どのようにアプローチしますか。

松浦氏:

行政だけで人材を補充するのではなく、民間からも入ってきてもらうことがカギになると考えています。具体的には、働き手世代やリタイア世代へのリスキリングなどを通じて、福祉や教育に携わる人材のボリュームを増やしていくことに取り組みたいです。

人材の拡充は、心身が健康で社会的に幸せな状態を示す「ウェルビーイング」が広がることにもつながります。社会的ニーズの高いスキルを身に着けることで社会活動に参画し、他人と交わり、他人に感謝される機会が得られるからです。

編集部:

教育について大切だと考えていることは何でしょうか。

松浦氏:

子どもたちが主体性を持って社会に関われるように促す教育が必要です。

例えば、コロナ禍では、一部の専門家の助言に基づいて国全体の方針が決められてきた一方で、SNSではマスクやワクチンの必要性を疑問視する言説が広がっていました。経験したことのないパンデミックの中で、早期に対応が必要だったとはいえ、こうした様々な意見を議論する場があるべきだったのではないでしょうか。大人ですら右往左往する中で、マスクの着脱や黙食を強いられた子どもたちへの悪影響を心配しています。

働き手世代でも、上司に意見がしにくいと感じて、職場の改善に必要な意見まで封じ込めてしまうことがありますよね。子どもの頃から自分の意見を伝え、相手の意見を聞いて対話する訓練を重ねることが大切ではないでしょうか。

男女対等な組織改善の経験を行政にも活かす

編集部:

松浦さんは経営者としての顔もお持ちです。政治の分野に活かせると考えている経験を教えて下さい。

松浦氏:

男性と女性が対等な立場で対話を重ねて働ける環境を作るように心がけています。

私が所属する総務部は電話・来客対応を担当しているため、部内でのコミュニケーションがとりにくい環境でした。このため、業務改善を話し合うための会議の時間を設けることで、意思疎通ができる場をセッティングしました。

また一時期、若手社員の離職率が高くなってしまった時期がありました。この時には部署の枠組みを超えたチームを組織してもらい、会食や旅行などの余暇活動の経費を会社で補助。その取り組みによって、どのような成果が出たかを他部署にもフィードバックしてもらう仕組みを作り、社内の士気を上げました。

こうした組織改善の経験は、「縦割り」と呼ばれる行政の組織改善や、住民組織づくりにも通底すると考えています。

編集部:

最後に、リフレッシュ方法を教えてください。

松浦氏:

最近は週1回、ヨガをしています。運動は苦手なのですが、ゆったりとした動きで呼吸や瞑想をするのでとてもリラックスができます。

健康維持、体力維持にもつながっていますし、早速、ダイエット効果が見られてうれしいです。ヨガをしている時は、それだけに集中して頭が空っぽにできるので、ふいに新しいアイデアが思いつくことも少なくありません。

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