「子育て拠点」廃止方針に保護者らは…9割「納得できない」 保護者有志がアンケート調査 沖縄・浦添市

 【浦添】浦添市が地域子育て支援拠点事業を担う民営の子育て支援センター3カ所を廃止する方針を示している問題を巡り、センターを利用する保護者有志は13日までに利用者を対象にしたアンケートを実施した。回答者98人中91人(92.9%)が廃止方針に「納得できない」と答えた。さらに育児に困った時の頼り先がなくなると思うかの質問では、82人(83.7%)が「思う」と回答した。アンケートからは子育て支援拠点が母親らの心のよりどころとなっていることが改めて示された。

 支援拠点を巡って市は、2023年度からサンエー浦添西海岸パルコシティ内にある市直営の「子育て支援センターてぃんさぐ」だけを残し、市内24カ所の認定こども園が実施する子育て支援事業を受け皿にする考え。一方、保護者は拠点施設の存続を訴えており、市に対して500超の署名を提出している。アンケートは2月中旬から下旬にかけて民営の支援センター3カ所の利用者を対象に実施。こども園による子育て支援事業を利用したいかの質問には「分からない」が42人と最多で「思わない」は36人、「思う」は9人にとどまった。理由について保護者からは「乳飲み子を連れて設備の整っていない場所へ行く元気も勇気もありません」「毎日開いておらず、利用できる時間も少ない」などと切実な声が上がった。

 市は拠点施設による「点」の子育て支援からこども園などによる「面」での子育て支援に切り替える考えだが、一部のこども園では駐車場や専用の部屋が確保されていないなど課題は多い。特に乳児がいる保護者からはこども園の受け入れ環境が不十分との声は根強い。アンケートでは「支援センターと同じように寄り添いを感じ、温かく受け止めてくれるこども園にしてからでも廃止を考えるのは遅くない」などの意見が寄せられた。

 拠点施設が廃止となった場合の次の居場所としてどこを検討しているかの質問には「公園」が44人と最多で、パルコ内の市直営の拠点施設てぃんさぐが33人、市外の拠点施設が25人と続いた。こども園と回答したのは16人で、「外出を諦める」の18人より少なかった。(吉田健一)

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