東京五輪8強導いた日本代表監督の緻密戦略とは…世界が賛辞送ったバレーボール男子、中垣内祐一氏が明かす

東京五輪のバレーボール男子代表監督時のチームマネジメントについて講演する中垣内祐一・福井工業大学教授=3月11日、福井県福井市の同大福井キャンパス

 バレーボールの元日本代表エースで男子代表監督を務めた中垣内祐一・福井工業大学教授(福井県立藤島高校出身)が3月11日、福井市の同大福井キャンパスで講演した。東京五輪で男子代表を29年ぶりの8強に導いたチームマネジメントについて、企業が経営戦略策定に使う「SWOT分析」を取り入れるなどの緻密な戦略を実行していたと語った。

 2016年に男子代表監督に就任した中垣内さんは「まず基盤となる5~7人のキープレーヤーを選び、それらの選手の特徴に合わせて戦略を決めていった」と回顧。SWOT分析を導入して代表の強みや弱みを体系的に評価し、外国人コーチの採用や、若手選手の海外チームへの積極的な送り出しなどの強化策を進めたとした。

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 チームの行動指針に尊重、向上心、想像力、自律、コミュニケーションの五つを掲げたとし「日々の生活で自律できていないと、本当にやるべきときに力を発揮できない」と強調。東京五輪の結果には「各国指導者から『日本は世界一統率の取れたチームだ』と賛辞を受け、成績以上にうれしかった」と振り返った。

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 中垣内さんは福井工大が昨年4月に開設した「ウェルネス&スポーツサイエンスセンター」の第1回研究会で講演。スポーツ団体の関係者や一般市民ら約60人が聴講した。

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