「参考書、10周くらいやった」 沖縄市の5年生が危険物取扱者に合格 夢は電力会社のエンジニア

 沖縄市立北美小5年の相煌政(あいこうせい)さん(11)はこのほど、国家資格の危険物取扱者の試験に合格した。受験者732人うち合格者は151人。小学生の合格者は相さん1人だった。試験内容は危険物の性質や法令、物理や化学もある。「10周くらいやった」と参考書は書き込みで真っ黒になっている。

 漢字の読み書きが好きで、漢字を覚えながらチャレンジできないかと父の綱政さんが資格試験を提案した。将来は電力会社でエンジニアになるのが夢だ。

 受験したのは「乙種4類」という区分。乙種の中では最も難しい。ガソリンや灯油などの取り扱いと立ち会いができる資格。勉強は昨年2月から始めた。専門知識習得の他、化学式や熱量など、高校で学ぶ知識も必要になる。参考書で勉強をしたが、読めない漢字や意味の分からない言葉も多い。一つずつ丁寧に調べ、他の人の手をほとんど借りずに勉強を続けた。多い時には1日10時間も勉強したこともある。

 それでもこれまで3度試験に落ちた。2、3回目は1点足りずに不合格。「悔しかった。駄目だと思った」と諦めかけたこともある。「ここまできたら引けない。頑張ろう」と父に背中を押され、再び挑戦を決意した。

 4度目の試験で念願の合格をつかみ取った。「まさか合格すると思わなかった」と合格者一覧に自分の受験番号を見つけた時は号泣した。「努力は必ず報われる」と自信をつけた。次の目標は、6類まである乙種区分の試験全てに合格すること。夢の実現のため、ステップアップを続けていく。

 (金盛文香)

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