パラダイム MAX FAST ドライバーを筒康博が試打「40m/s前後も十分対象」

革新的シリーズ最軽量モデル HS40m/s台のクラブフィッター評価は!?

革新的な360度カーボンシャーシの採用で、これまでのクラブの価値観を大きく変えるキャロウェイ「パラダイム」シリーズ。中でも今回は、ドローバイアス&高打ち出しが特徴の「パラダイム MAX FAST ドライバー」をピックアップ。最軽量による振りやすさと楽に飛ばせる性能を、ヘッドスピード(以下HS)の異なる有識者3人が採点。ご意見番クラブフィッター・筒康博の評価は!?

「マイナス要素が見当たらない 同社軽量モデルの完成形」

低弾道傾向の筒でも 比較的高く上がっていた(打ち出し角:12.5度)

―率直な印象は?
「ヘッド自体の特性は、同シリーズのスタンダードモデル『パラダイム』や『―X』と同じテクノロジーが感じられ、飛距離と安定性の両立をすごく実感できる仕上がりだと思います。カチャカチャ機能がなく、グリップを含めた純正シャフトが軽量であることで、HSを今よりもっと速くしたい、軽快に振りたいゴルファーにとって、プラスになる要素がたくさん備わっているといえます」

ヘッド後部には5gのウエイトを搭載

―もう少しシッカリ感が欲しいゴルファーには?
「確かに、もう少しヘッド重量があったほうが好きという人は多いでしょう。私もグリップ(『ゴルフプライド TOUR 25』口径60:30g)を40g台後半に差し替え、もう少し手元の重量感を感じながら振りたいとは思いました。ですが、ボールがつかまり過ぎて左へのミスが多くなったり、スピン過多で上がり過ぎたりすることはないので、『―X』を使いたいけれど、ちょっと重量のハードルが高いという人には、ちゃんとマッチしてくれるドライバーだと感じます」

純正グリップ「ゴルフプライド TOUR 25 ブラック バックライン有り」

―一般的なHS(40m/s前後)の人は対象ではない?
「試打する前は、私も『―MAX FAST』の対象には入らないと思っていたのですが、私のHS(平均39.8m/s)は、十分に対象といえるかもしれません。それぐらい振り負けることがなく、購入リスト候補に入れていいと思いました。ドライバーは14本の中で一番軽いクラブですから、セッティングの流れを壊すわけでもないため、軽いことでスピードアップできるなら、先入観を持たずにどんどん試してみるべきと認識しました」

カチャカチャ機能はなく ネックは他モデルと比べて短い

―力強さも感じられる?
「そうですね。力強さと打感のシッカリ感は、スタンダードの『パラダイム』『―X』と比べるとやや落ちますが、ヘッド特性の面での力強さは同等といえます。純正シャフト(SPEEDER NX 40)との相性もすごく良いので、パワフルさに欠ける印象も見当たりません。あとはボールを打っている感触が明確に得られ、気持ちいいと感じるかどうかの微妙なフィーリングの違いのみ。クラブのパラダイムシフトを起こすべく生まれた同シリーズだけに、軽量だから飛ばないという固定観念は持たないほうが良いでしょう」

左が「―X」右が「―MAX FAST」。基本的な大きさは一緒だが若干シャープにも見える

―気になるデメリットは?
「うーん…。軽いクラブが苦手な人には合わない、といった点しか正直思いつきません(笑)。これまでの軽量モデルでデメリットと考えられていた、“つかまり過ぎ”“上がり過ぎ”といった欠点もなく、同社が手がける軽量クラブのひとつの完成形といえるかもしれません。既にカスタマイズされた仕様で、同シリーズの飛距離性能を体感したいプレーヤーにはベストな選択だと思います」

「飛距離アップのチャンスがあるのに“食わず嫌い”でいたらもったいない」と筒

―どのような人向き?
「基本的には、HSが男性と変わらないアスリート志向の強い女性ゴルファーや、若いときに比べてややHSが落ちたシニアゴルファー向け。ただ、私のように、年齢はそこまでいっていなくても(現50歳)、最近飛距離に悩んでいる人は対象ターゲットに入る可能性もあります。対象となる飛距離の目安は200yd。安定して200ydを超えたいと願う方にとって、すぐに結果が出る、とても実戦向きなモデルだと思います」

スタンダード&「―X」の評価(4.8点)より0.3ダウン【総合評価4.5点】

【飛距離】5.0
【打 感】4.5
【寛容性】4.5
【操作性】4.0
【構えやすさ】4.5

・ロフト角:10.5度
・使用シャフト:SPEEDER NX 40 for Callaway(硬さS)
・使用ボール:リトルグリーンヴァレー船橋専用レンジボール

取材協力/トラックマンジャパン株式会社、リトルグリーンヴァレー船橋

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