パイレーツ・ケラーが初の開幕投手 「30日は何球投げる?」と監督

日本時間3月16日、パイレーツのミッチ・ケラーはデレック・シェルトン監督に呼び出され、「今日の投球練習はどうだった?」「何球投げた?」と尋ねられた。さらに「30日には何球投げると思う?」とシェルトン監督。最初は何のことかわからなかったケラーだが、3月30日(現地時間)というのはレギュラーシーズン開幕日のことである。長年エース候補として期待されながらも結果を出せず、昨季ようやく飛躍の兆しを見せたケラーは、メジャー5年目を迎えた今季、自身初の開幕投手を務めることが決定した。

現在26歳のケラーはメジャー4年目の昨季、31試合(うち29先発)に登板して自己最多の159イニングを投げ、5勝12敗、防御率3.91、138奪三振を記録。前年と同じく、黒星が大きく先行したものの、初の規定投球回到達まであと一歩に迫り、防御率は前年の6.17から3.91と劇的に改善された。後半戦に限れば、13先発で70イニングを投げ、防御率3.09の好成績をマーク。ゆっくりと、しかし着実に成長を見せており、今季は真のエースへと成長することが期待されている。

開幕投手をサプライズ発表したシェルトン監督は「彼はかなり感情的になっていたね。特別な瞬間だったと思う」とコメント。「あの子はとても期待されていたプロスペクトだったが、苦労した時期を経て、ようやく自分の姿を見つけた。シャンパンのボトルをプレゼントして、奥さんと一緒に楽しんでくれと伝えたよ」と開幕投手の大役を手にしたケラーを祝福した。

投球レパートリーにシンカーやスイーパーを加え、進化を遂げてきたケラー。今年のオープン戦では4試合に先発して0勝1敗、防御率4.09にとどまっているが、イニング数(11)を上回る三振(13)を奪い、WHIPの数値も昨季の1.40から1.09へ大きく改善されている。2017年から毎年異なる投手が開幕戦に先発してきたパイレーツだが、ようやく真のエースが誕生することになるかもしれない。

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