「お客様は神様」正しく認識を 自民・中田氏呼び掛け 河野担当相「年度内に基本的方針」

(写真左から)河野太郎氏、中田宏氏

 16日の参院消費者問題特別委員会で、自民党の中田宏氏(比例代表)は歌手・三波春夫さんの名言「お客さまは神様です」を引き「その意味を取り違えた行為が頻発している」として、再発防止策の推進を求めた。河野太郎消費者担当相(衆院神奈川15区)は「消費者啓発の基本的方針を年度内に取りまとめる」と応じた。

 飲食店を巡っては、客の立場を利用して理不尽な要求をするカスタマーハラスメント(カスハラ)や、しょうゆ差しから直接口へ含むなどの迷惑行為をSNSで発信・拡散するなどの事態が相次いでいる。

 中田氏は「『お客さまは神様』は三波さんにとって『神殿で祈るような気持ちで臨まなければ完璧な芸は披露できない』ことを指す。『良い仕事を披露する』心構えで、お客を奉る意味ではない」と指摘。「お客自身が『自分が神』と主張できるわけではない」などとした上で、「土下座強要などのカスハラや行為の投稿がいたずらのレベルを超えて犯罪にあたることを周知し、店側が賠償請求などに円滑に踏み切れるよう支援してほしい」と求めた。

 これに対し「最近話題の行為は犯罪と言わざるを得ない」とした河野担当相は、方針策定を巡り「権利には義務が付いて回る。SNSも消費生活に切っても切れない存在。それらを踏まえ対応したい」と応じた。

 同特別委の委員長は日本維新の会の松沢成文氏(神奈川選挙区)で、質問した元横浜市長の中田氏、答弁者の河野氏との「3ショット」は2003年1月の民放討論番組以来。番組内で転進を促された松沢氏が神奈川県知事選に出馬した経緯がある。当時を知る自民重鎮はこの日の論戦に「あれからもう20年か」と感慨深げだった。

© 株式会社神奈川新聞社