30周年を迎えたJリーグ。J2には清水エスパルス、藤枝MYFC、ジュビロ磐田と史上初めて3つのクラブが顔をそろえました。この“戦国J2”を静岡から盛り上げようと3つのクラブが今季、共同で新たに企画を打ち出しました。3クラブが対戦する計6試合を「静岡三国決戦」と名付けました。これまで幾度も相対してきた3クラブによる戦いを数字で振り返ります。すると、興味深い傾向がみえてきました。
【写真を見る】清水×藤枝×磐田は“三つ巴”状態なのか？数字でみる“静岡三国決戦”
【ジュビロ磐田×清水エスパルス】
静岡三国決戦の“歴史的開幕戦”となるのが、3月18日のジュビロ磐田対清水エスパルスです。「静岡ダービー」として、リーグ戦をはじめ、カップ戦、天皇杯、さらには1999年には、J1の年間王者を争うチャンピオンシップでも激突した両雄は、これまで公式戦で68回激突。磐田32勝に対し、清水29勝と磐田が3つ勝ち越しています(引き分けは7試合)。
リーグ戦で初めて対戦したのは、1994年のファーストステージ。当時は2ステージ制が採用され、年間でリーグ戦だけでも4試合“ダービー”が行われていました。草薙陸上競技場で行われた記念すべきファーストマッチは、これまた当時存在したVゴール方式の延長戦までもつれ込み、最後はFWトニーニョ選手の決勝ゴールで清水に軍配が上がります。
しかし、それ以降は磐田の独壇場。“ダービー男”FWスキラッチ選手がゴールを量産し、1996年まで怒とうの8連勝を飾ります。1994年から2000年までの通算成績は磐田12勝、清水6勝とダブルスコア、1999年のチャンピオンシップも磐田がPK戦にもつれ込みながらも、この年リーグ最多勝利数を挙げた清水を退け、年間王者に輝きました。
磐田の勢いは止まらず、2001年から2010年の10年間でも、磐田の9勝7敗4分と優位性を保つなど、ダービーでは、サックスブルーが光り輝く時代が長く続きました。
しかし、2011年以降、状況は変化します。2022シーズンまでで、清水が4連勝を含む7勝4敗3分。直近5年間でも3勝1敗2分けと、かつての“ダービーに勝てない清水”という印象は完全に払しょくされたといえます。
今回の会場となるエコパスタジアムでは、19試合行われています。2001年のこけら落としマッチは延長Vゴールの末、清水が勝利。以降、エコパでは清水8勝、磐田9勝とほぼ互角。過去10年間に限ってみると清水が2勝1敗1分けとリード、2022年も2対1と清水に軍配が上がっています。
時には大差がつくゲームもありましたが、リーグ戦52試合で1点差で決着がついたのは、実に30試合と半分以上。18日のゲームも僅差の戦いとなることが予想されます。
【清水エスパルス×藤枝MYFC】
清水と藤枝、ともに静岡を代表する“サッカーの街”のクラブが初めて対戦したのは、2013年の天皇杯。藤枝にとって初めて対戦したJ1クラブが清水でした。当時の藤枝には斉藤俊秀監督、市川大祐選手とエスパルスゆかりの元日本代表が所属。試合は0対2で敗れたものの、試合終盤まで、好ゲームを展開しました。
そして、2015年の天皇杯で再び対戦した両チーム。清水が2点を先制するものの、その後、藤枝FW大石治寿選手の2ゴールで追いつくと、MF枝本雄一郎選手が逆転、さらにダメ押しのゴールを挙げ、終わってみれば4対2の“下剋上”。藤枝がクラブ史上初めてJ1に勝利したのも清水という、まさに歴史的一戦となりました。
公式戦の通算成績は、1勝1敗とまったくの五分。最後の対戦から8年。今度はカップ戦ではなく、リーグ戦で、同じカテゴリーのライバルとして“サッカーの街”のプライドをかけた戦いが繰り広げられます。
【ジュビロ磐田×藤枝MYFC】
磐田と藤枝も過去1度、天皇杯で対戦しています。2014年の天皇杯2回戦、このシーズンから戦いの場をJFLからJ3に移した藤枝がアウェーのヤマハスタジアムに乗り込みます。前半は互いに譲らず0-0、後半、磐田はFW金園英学選手の2ゴールで追いすがる藤枝を退けました。両チームの公式戦での対戦はこの1度きり。9年ぶりの対戦は5月17日に、今度は藤枝のホームで行われます。
【静岡三国決戦】
3月18日(土)ジュビロ磐田×清水エスパルス（14:00 エコパスタジアム）
5月13日(土)清水エスパルス×藤枝MYFC(14:00 IAIスタジアム日本平)
5月17日(水)藤枝MYFC×ジュビロ磐田(19:00 藤枝総合運動公園サッカー場)
7月16日(日)ジュビロ磐田×藤枝MYFC(19:00 ヤマハスタジアム)
9月30日(土)藤枝MYFC×清水エスパルス(時間未定 藤枝総合運動公園サッカー場)
10月7日(土)清水エスパルス×ジュビロ磐田(時間未定 IAIスタジアム日本平)
