陸上幕僚長「南西防衛の強化はまだ途上」さらなる増強進める考え 陸自石垣駐屯地が開設

 防衛省は16日、沖縄県石垣市平得大俣に陸上自衛隊石垣駐屯地を開設した。八重山警備隊を新編したほか、地対艦・地対空誘導弾(ミサイル)部隊も配備した。吉田圭秀陸上幕僚長はこの日の記者会見で「南西地域の空白を埋めることが完了した。抑止力・対処力の向上に寄与する」と述べた一方「南西防衛体制の強化はまだまだ途上だ」としてさらなる増強計画を進める考えを示した。 
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 一方、16日朝から市民ら約30人が駐屯地前で抗議の声を上げた。玉城デニー知事は報道陣に「政府にスケジュールありきで進めないよう求めてきたが、現状は十分に住民合意が得られているとは言いがたい」と批判した。
 16日、駐屯地内で八重山警備隊(約340人)の編成完結行事が実施された。駐屯地正門では、幕が取り除かれて「石垣駐屯地」「八重山警備隊」の看板が姿を見せた。
 陸自第15旅団の井土川一友旅団長と石垣駐屯地の井上雄一朗司令(兼八重山警備隊長)は16日午前、市役所に中山義隆市長を訪ね、開設を報告した。井土川旅団長は開設への謝意を伝えた。井上司令は「島と島民を守るため訓練に励みたい」とした。中山市長は「市民と融和を図りながらしっかりと運用してもらえるよう連携したい」と述べた。
 石垣駐屯地は全体で約570人配置、ミサイル発射機を含む車両約200台が配備される。ミサイルなどの弾薬は18日にも搬入する見込み。
(明真南斗まとめ)
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