春のセンバツ甲子園 大分商業の投打の核となる選手たち(2) 【大分県】

「第95回選抜高校野球大会(センバツ)」が18日に開幕する。大会2日目に登場する大分商業。筋力強化を課し、ひと冬を越えてたくましくなった選手たち。大一番を前に、ここでは投打の核となる選手を紹介する。

羽田野颯未(2年/一塁手/182cm・103kg/右投右打)

「アピールポイントはパワー」と自身が胸を張るように、182cm、103kgの鍛え上げられた体から、スラッガーとしての才能があふれている。「遠くに打球を飛ばしたい。ホームランを打ちたい」との思いが肉体改造を加速させた。長吉勇典部長に「この冬に一番筋力トレーニングに取り組んだ選手」と言わしめるほどだ。

12日の練習試合では特大本塁打を放つなど、調子を上げている。パワーに加え、体のキレを感じており、「いい状態で甲子園に臨めそう。甲子園には魔物が住んでいるというが、そこを含めて楽しみたい。ホームランを狙いたい」と試合が待ち遠しそうだ。

昼休みは体育館でバスケットボールを楽しみ、中学生の頃は豊後大野市の陸上大会で、砲丸投げで優勝するなどスポーツ万能。「よく食べ、よく動く」を信条とし、春のセンバツ出場を決めてから野球部に届く差し入れをおいしそうに食べた。「応援してくれる人の期待に応えたい」と責任感も強い。

飯田凜琥(2年/投手/174cm・72kg/右投右打)

昨秋の九州地区大会では3試合とも救援に回った。「ピンチのときの気持ちの強さがある。勝負度胸があり、飯田がいるから先発投手の役回りが多い児玉(迅)が思い切り投げられる」と長吉部長。

130キロ後半のストレートがアベレージで、得意のスライダーは3段階で速度を変える。ストライクゾーンの四隅に投げ分ける制球力が生命線だ。走者を出しても動じることなく、自分の投球ができる強心臓だ。「今まで緊張したことがない。甲子園ではボールが高めに浮かないように気をつけたい」と淡々と話す飯田の言葉に気負いはない。

明豊中学からそのまま高校へ進学する道もあったが、あえて「これまで多くのプロ野球選手を輩出している大分商業を選んだ」(飯田)。見据える先はプロだが、「夏の甲子園にも出場したいので、同じ舞台に上がれるセンバツはいい経験ができそう」と春夏連続の甲子園出場を目指す。

(柚野真也)

© オー!エス! OITA SPORTS