NitroRX最終戦にティモ・シャイダーが緊急参戦。クリス・ミークの代役でFC1-Xをドライブ

 年跨ぎの2022-2023年シーズンとしてグローバルチャンピオンシップに発展を遂げた、創設2年目のNitroRXナイトロ・ラリークロス最終戦に向け、2度のDTMドイツ・ツーリングカー選手権王者であるティモ・シャイダーの参戦が決定。クリス・ミークの代役としてエキサイト・エナジー・レーシングの『FC1-X』をドライブする。

 今週末の3月17〜19日にアメリカ・カリフォルニア州グレンヘレン・レースウェイで、休止ラウンドの穴埋めも兼ねた“トリプルヘッダー”戦が予定されるNitroRX最終戦だが、その今季シーズン序盤より、ミークはジェンソン・バトンとシートをシェアするかたちでシリーズを戦ってきた。

 しかし第7戦ケベック、第8戦カルガリーと続いたカナダでのスノー&アイス連戦を終えて以降、ミークはこのブレイク期間中にスキー事故で背中を骨折するアクシデントに遭遇。WRC世界ラリー選手権で優勝も経験した北アイルランド出身ドライバーは、ロサンゼルス行きを断念する事態となった。

 所属するエキサイト・エナジー・レーシングは、チームのInstagramを通じて「クリス・ミークは今週末、NitroRXのシリーズフィナーレを戦う予定でしたが、スキー事故に巻き込まれ、残念ながらL.Aでのレースに参加できなくなりました」とアナウンス。「そんな事実を報告するのは悲しいことです。大きな損失であり、クリスの1日も早い回復を祈っています」と綴った。

 11月のフェニックス戦で3位に入賞し、チームに初表彰台をもたらしたミークだったが、まさかのかたちでシリーズを終えることとなり、その後任に起用されたシャイダーにとっては、これが北米を拠点とするシリーズへの初参戦となる。ただ自身はWorldRX世界ラリークロス選手権でもレギュラーとして戦った経歴を持ち、グラベル競技に精通したドライバーとして、彼の地でも認知されている。

エキサイト・エナジー・レーシングのクリス・ミークは、スキー事故で背中を骨折する不運に見舞われた
WorldRX世界ラリークロス選手権やWTCRなどを経て、エクストリームEではコース設定も担うチャンピオンシップドライバーも務めた

■最終戦のみに留まらず、今後のNitroRX関与にも意欲を示すシャイダー

「僕もNitroRXが始まって以来ずっとフォローして来たし、家族と一緒に長いあいだアメリカを拠点にしているので、これを詳しく調べていたんだ」と、同国のモータースポーツ専門サイト『RACER.com』に明かしたシャイダー。

「クリスのことは非常に残念だが、彼の一刻も早い回復を祈っている。でも、個人的にはもちろんチャンスを掴むつもりさ! シーズンフィナーレだし、トリプルヘッダーだし、クルマのこともグレンヘレンのことも何も知らないけど(笑)、楽しみにしているよ」

 今季も電動オフロード選手権のエクストリームEに参戦中のシャイダーだが、昨季シーズン2ではチーム創設者であるオリバー・ベネットに代わってエキサイト・エナジー・レーシングのワンメイクSUVをドライブしており、合流初戦のイタリア・サルディニアでは表彰台も獲得している。

「昨日のオリー(ベネットの愛称)からの電話はとてもクールで、昨季のエキサイトでのレースが頭に浮かんだよ」と笑顔をみせたマイアミ在住のシャイダー。

「僕らはWorldRXでお互いを知る仲になり、それがエクストリームEにも繋がった。来週空いているかどうかを尋ねるメッセージを受け取ったとき、すぐにカレンダーを再確認したし、マイアミの家に3日間帰ってからすぐにフロリダからL.Aに飛ぶよ!」

 そのシャイダーは、今回の最終戦出場のみに留まらず、今後さらなるNitroRXへの関与にも意欲を示す。

「クリスが残念ながら出場できなくなった後、オリーが僕のことを考えてくれたのはとてもクールだった。僕自身その経験を楽しみたいし、そこへ行き、一緒に仕事をするのが楽しいことを人々に示したいと思っているよ」

エキサイト・エナジー・レーシングに合流したサルディニアでは、初戦で3位表彰台も獲得してみせた
「一緒に仕事をするのが楽しいことを人々に示したいと思っているよ」とシャイダー

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