小さく生まれた赤ちゃんと親を支援 「長崎県版リトルベビーハンドブック」完成

県にハンドブックを要望し、作製にも携わった「長崎リトルベビーの会 Lino」の杉村さん(右)ら=県庁

 早産などで小さく生まれた赤ちゃんとその親を支援しようと、長崎県は「県版リトルベビーハンドブック」を作製した。今後、体重1500グラム未満で生まれた「極低出生体重児」らを対象に医療機関などで配布する。
 県子ども家庭課によると、2021年に県内で生まれた赤ちゃん8862人のうち、出生体重が2500グラム未満の「低出生体重児」は810人で全体の9.1%。うち極低出生体重児は73人だった。
 通常の母子健康手帳では、発育曲線のグラフが1キロから始まるなどして、小さく生まれた赤ちゃんの身長や体重などを記載できず、親がつらい思いをすることがあったという。ハンドブックでは、発育曲線のグラフが0グラムから200グラム単位で記録できたり、当事者の応援メッセージや困った時の連絡先などが記載されたりしている。
 低出生体重児の母親らでつくる「長崎リトルベビーの会 Lino」は21年8月、ハンドブックの作製を県に要望。同会の杉村優子代表(38)は「お母さんたちが心細さを感じずに、必要なところにつながってもらえれば」、同課は「作製の過程から、お母さんや赤ちゃんへの愛が詰まっている。内容も実用的で、お母さんの心の支えになるはず」としている。
 500部作製。配布先は、新生児集中治療室(NICU)がある県内4カ所の医療機関や各市町の母子保健担当窓口。

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