底抜けに明るい全盲のヴァイオリニスト・穴澤雄介を追う 「光を見つけるヴァイオリニスト」公開決定

全盲のヴァイオリニスト穴澤雄介を追ったドキュメンタリー映画「光を見つけるヴァイオリニスト 穴澤雄介からのメッセージ」が、5月30日より公開されることが決まった。

子供の頃に3度の心臓手術を受けたことで、次第に中途失明となった穴澤雄介。たくさんのコンプレックスを乗り越えた穴澤は、指で触る点字の楽譜ですべてのメロディを覚えなければ弾けないハンデを抱えながら、ヴァイオリニストとしての演奏だけでなく、作曲や編曲も手がけながらライブ活動を行っている。

底抜けの明るさを持ち、「心と手がつながった演奏」と評される美しい曲の数々を生み出した穴澤。小柄な体を生かして大きな力士と渡り合ってきた元力士の舞の海秀平との語らいでは、「目の前にある困難をいかに乗り越えていくか」を考える。光を失ったことで人並みはずれた想像力と記憶力が育まれた穴澤の言葉は、見えない人たちにとって、この社会がいかに危険に満ちた場所であるかということを思い出させていく。

穴澤雄介と永田陽介監督のコメントも公開された。コメントは以下の通り。

【コメント】

■穴澤雄介
2021年9月のコロナ禍中のこと。ライブの記録映像をお願いした永田陽介監督から私自身のドキュメンタリー映画製作の話が持ち上がりました。ほどなく撮影がスタートし、日頃知り合える方とは異なる映像スタッフの皆さんとの楽しいひとときも忘れがたいのですが、スポーツ好き障害者(コメンテータ)でもある私にとって大きな出来事は、なんといっても舞の海秀平さんとの出会いでした。当初ナレーションのみの予定でしたが、「スタジオ録音では私は会えないじゃないか!」と気づき、監督に無理やり対談の場面の追加をお願いしました。もともと大フアンではありましたが、この映画で投げかけているメッセージを、つまり私が普段講演でお伝えしている考えを、土俵の上ですでに成し遂げていらっしゃって尊敬している方なので、どうしても直接お会いしたかったのです(全編対談だけでいいと思ったくらい)。講演に呼ばれるひととか、映画になるひととかって、もっと偉いひとだと思っていました。でもイモムシの私が舞の海さんと親しくお話できちゃったのですよ!! 皆さんもお楽しみくださいね!

■永田陽介監督
人によっては起こってしまった過去の出来事が足かせになって、新しい一歩を踏み出せないかもしれない。人によっては未来に不安ばかりを感じてしまうかもしれな い。そんな時、穴澤雄介さんは言います。「過去は変えられるんだから、失敗を恐れる必要はないですよ」と。この映画の中で繰り返し語られる「人生のヒント」の様なもの。 穴澤さんの経験や実践の話に耳を傾けるとき、未来 を創るコツが見つかるかもしれません。それはきっと力強い光を放っていると想うのです。音楽の合間に彼の人柄が伝わるような映像を挿入してみたい、という思いが大きくなり、今回、初の劇場用ドキュメンタリーが生まれました。

【作品情報】
光を見つけるヴァイオリニスト 穴澤雄介からのメッセージ
2023年5月30日(火)より東京都写真美術館ホール他全国順次公開
配給:アウトサイド+フジヤマコム
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