旧頸城鉄道本社・同機関庫など5件 国登録有形文化財へ 文化審議会 文科大臣に答申

 国の文化審議会(佐藤信会長)が17日に開かれ、頸城区百間町の旧頸城鉄道本社(軽便鉄道資料館)と同機関庫(くびき野レールパーク車両展示資料館)など県内5件を国の登録有形文化財に登録するよう文部科学大臣に答申した。

旧頸城鉄道本社の外観(撮影:頸城自動車株式会社)

 旧頸城鉄道は上越市黒井と浦川原区浦川原間15キロを結ぶ軽便鉄道で1914年に路線開業。71年の廃線まで東頸城の交通を担った。現在は、「くびき野レールパーク」として頸城自動車(本社上越市石橋2)がNPO法人くびきのお宝のこす会に運営を委託、当時の車両や資料などを保存・展示し、体験乗車ができる場として親しまれている。
 旧本社は切妻造桟瓦葺(きりづまづくりさんかわらぶき)の木造2階建て洋風建築で1942年に建てられた。本社の直江津移転後は地元県議の事務所として使われ、同社創立100周年に合わせて2013、14年に改修工事を受けた。
 旧機関庫は1914年の建設。全長約40メートルで切妻造桟瓦葺平屋建ての洋小屋造りで、車両出入り口のシャッターが2台付いている。廃線後に賃貸工場として使われた際に設置された天上のパネルが撤去され、当時のトラス組が姿を見せている。

旧頸城鉄道機関庫(くびき野レールパーク車両展示資料館)の内部

 答申後の官報告示により正式決定。これで県内の登録有形文化財は559件、上越市内は44件となる。

© 株式会社上越タイムス社