オートレーサー・森且行がドキュメンタリー映画の舞台あいさつに登壇。レース復帰について「SMAPメンバーには伝えました!」

オートレーサーの森且行が、3月18日に「TBSドキュメンタリー映画祭 2023」内で上映されたドキュメンタリー映画「オートレーサー森且行 約束のオーバルへ」の舞台あいさつに、穂坂友紀監督と共に登壇した。

魂を揺さぶる良質のドキュメンタリー映画作品の発信地となるべく、TBSが立ち上げたドキュメンタリーブランド「TBS DOCS」。そこから生まれたドキュメンタリー作品を劇場で上映する「TBSドキュメンタリー映画祭」は、今年で開催3回目を迎える。今回は、3月17~30日に東京のヒューマントラストシネマ渋谷、3月24日~4月6日に大阪のシネ・リーブル梅田、3月24日~4月6日に名古屋の伏見ミリオン座、4月15日~21日に札幌のシアターキノと、前回を上回る規模での実施が予定されている。

「オートレーサー森且行 約束のオーバルへ」は、2021年1月に落車事故で大けがを負った森のリハビリの日々に密着したドキュメンタリー。舞台あいさつの前日・17日に、4月6日、地元の川口オートレース場で復帰すると発表したばかりの森は、現在の体調を問われると「徐々によくなっていて、普段の生活には支障もなく、全然平気です!」と元気にあいさつ。言わずと知れた元SMAPの森は「仲間」と一瞬間を置いて、SMAPメンバーには「この映画のことは伝えていません」とニヤリとするも、「レース復帰については昨日公式に発表があって、メンバーにはその2日前には言いました」と絆をうかがわせた。

2年前に、穂坂監督が森に直筆の手紙を送ったことから、本作の企画がスタート。森は「ここまでの長期密着は初めての経験。穂坂監督がしつこ過ぎて…」と言って笑わせつつ、「ドキュメンタリーの中ではリハビリ3時間となっていたけれど、実際は1時間半くらいしかやっていない。ちょっと大げさですね」とジョークも。映画冒頭の浜辺を走るシーンに触れて、「監督から走ってくれと言われて…」といたずらっぽく言うと、穂坂監督は「そんな言い方はしていません! 語弊がありますよ!」と苦笑。

見どころについて、森は「僕がヘベレケになっている姿が見どころ。酔っ払い過ぎて使用NGすら出せなかった」と笑いつつも、「ありのままの自分の姿を見てほしいという思いもあった」と説明。本編には使用されていないが、穂坂監督とはカラオケにも行ったそうで、穂坂監督が「カラオケでSMAPの曲を私がリクエストしたら3曲くらい歌ってくれた。『笑顔のゲンキ』とか『前に!』とか」と明かすと、森は「え~? あまり覚えていないな。でもいい曲だよね」と述べて、ファンを歓喜させていた。

映画の完成を迎え、森は「1人では乗り越えられなかった。いろいろな方の支えとファンの皆さんの応援があったからこそ、ここまで来ている。あとは復帰するだけ」と意気込みながら、「体調が思わしくなくて復帰が延びたけれど、自分としては負けてでもいいからレースに参加して、徐々にはい上がっていけばいいのかなと思う」と復帰への心境を語り、穂坂監督はタイトルの由来について「森さんだったら絶対にオーバルに戻ってくると信じてカメラを回し続けましたし、森さんは宣言したら絶対に実行する男。その気持ちをそのままタイトルに込めました」と解説。

さらに、穂坂監督は「無事に走り終えてくれたらいい」とエールを送り、森は「本当ですか? 分かりました。一生懸命走りますが、着は分かりません。気合でレースに臨んで、一生懸命楽しんで走りたいです」と約束。穂坂監督は「この作品は森さんへのエールになればいいと思って作りました。でも完成版ではない。これからも取材を続けさせてもらいたい」と公開オファーし、これに森は「え? これからも? うーん、分かりました!」と快諾していた。

最後に、穂坂監督は「森さんのオートレースに対する愛はもちろんだけれど、兄弟愛や家族の応援、リハビリの先生たちの支えがあったからこそ復帰できたという人間関係の思いも描きました。そこにも注目してほしいです」とアピール。森は「この2年間の密着がなければ、もしかしたら途中で復帰を諦めていたかもしれない。こうして映画として残すことができて僕も幸せです。いろいろな人たちに見ていただき、さまざまなことを感じてほしい。そして完結版を目指して、これからも頑張っていきたいです」と闘志を燃やしていた。

イベント後には「直接お越しいただいた皆さまに感謝を伝えたい」という森の計らいで、劇場脇に立って観客を見送りながら、感謝の思いを直接伝える場面もあった。

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