横浜・みなとみらいの「10年間限定」小学校 児童がSDGs広める校歌を制作 5年生70人が思い込めて収録

校歌の収録に臨む子どもたち=横浜市立みなとみらい本町小学校

 10年間の「暫定設置」で開校した横浜市立みなとみらい本町小(同市西区)に校歌が誕生した。きっかけは「SDGs(持続可能な開発目標)を歌で広めたい」という子どもたちからの申し出。今月行われた収録では、作詞作曲に挑んだ5年生約70人が思いを込めて歌い上げた。

 「史上最高の校歌ができたね。最高の歌声でレコーディングしよう」。指揮を執る小松亜紀教諭が呼びかけると、子どもたちに笑顔が広がる。春の日差しが注ぐ音楽室にピアノの前奏が流れる。

 同校は、マンション開発に伴う児童数の増加を受けて、本町小学校(同市中区)から分離・独立する形で2018年に開校した。「持続可能な社会の担い手を育む」を開校宣言に掲げており、地域や社会が抱える課題を自らに引きつけ、地域と連携して学びを深めてきた。

 学級ごとにSDGsに関する学習テーマを決める中、5年生が選んだのが歌づくり。「歌でみんなを笑顔にしたい、SDGsを広めたい」という申し出を受け、小正和彦校長が「校歌にしよう」と提案した。同校はこれまで本町小の校歌を歌っていたが、開校5年のタイミングでもあり、歌の内容が学校が掲げるミッションと一致することから「校歌プロジェクト」として始まった。

 プロジェクトを支えたのは、東京スクールオブミュージック専門学校渋谷(TSM渋谷・東京都)の学生たち。子どもたちが考えたキーワードやメロディーを基に、作詞・作曲を支援した。

 完成した校歌の歌詞には、5年生が積み重ねてきた学びがちりばめられている。「色とりどりの未来」はあらゆる生命の未来を指し、「高い壁をみんなで越えていく」という歌詞ではSDGsの17個の目標を協力して達成しようと呼びかける。目標達成への不安や迷いの気持ちも込めつつ、幸せな世界に向けて一緒に進もうと励ます歌になった。

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