床や窓の清掃技術で「世界一を」 「アビリンピック」に出場する横浜の本田さん 

アビリンピックへ意気込む本田さん

 障害者が職場などで培った技を競う「アビリンピック」(障害者技能競技大会)の国際大会に、軽度の知的障害がある会社員本田駿斗さん(24)=横浜市泉区=が初出場する。本田さんは2020年に全国アビリンピックで日本一に輝き、国際大会の切符を手にしていた。ただ世界情勢により2年間開催が延期。待ち望んだ世界の舞台に「不安もあるけれど優勝を狙いたい」と意気込んでいる。

 国際アビリンピックは1981年に日本で初開催され、約4年に一度開かれてる。第10回目となる今大会は3月22~25日にフランスで行われ、世界27カ国から選手が集う。本田さんは床や窓の清掃技能を競う新種目「クリーニングサービス部門」に出場。同部門でガーナとフランス、フィンランド、ネパールの代表としのぎを削る。

 「清掃用の機械は操作が難しい。力加減で進む方向が変わり、うまくやらないと振り回されてしまう」

 国際大会前の13日、清掃技術に磨きをかける本田さんがいた。清掃といっても、作業標示板の設置から指さし確認のほか、ちり取りや水拭きの道具、各種清掃機械を正確に使い分ける。本番では安全性の順守や、清掃機材・用品を適切に選び、使用できるかなども評価の対象となる。

 本田さんは時折汗を拭い、磨き残しがないように隅々まで気を配る。手慣れているのは「いつもの業務で体が覚えている」からだ。

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