【福井県議会議員選挙2023】鯖江市区は12年ぶり選挙戦確実…他の選挙区の情勢は

 3月31日告示の福井県議会議員選挙。鯖江市選挙区は、2011年以来12年ぶりの選挙戦が確実な情勢。定数3に現職2人、前職、新人各1人の4人が立候補を表明。3月上旬までに全員、事務所開きを済ませた。15、19年と無投票が続いたことで、各陣営とも「基礎票すら読みづらい」と気をもむ。混戦になる可能性もあり、激しい票の奪い合いは必至の様相だ。

 現職の2人はともに自民公認。7期目を目指すベテラン田中敏幸は、地盤とする市東部を軸に農業関係の組織票固めを急ぐ。1999年に初当選して以来、選挙戦では毎回安定して8千票以上を得てきたが、今回は「無投票期間の影響は看過できない」と、より気を引き締める。

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 前回無投票で初当選した山本建は、初めての選挙戦に挑む。事務所開きには100人以上の支援者が集まり、自民の現職国会議員3人も顔を並べた。地元の大票田神明地区を拠点に浸透を図り、「1番を目指さなければ勝ち抜くことはできない」と気を吐く。

 前職田村康夫と新人山岸充はともに2020年市長選に落選し、県議選に“くら替え”出馬する形だ。

 田村は、県議を5期目途中まで務めた実績を基に、県との強いパイプをアピールする。これまで強みをみせてきた組織票だけに頼らず、地盤の鯖江地区では2月中旬から早朝のつじ立ちを継続。浮動票にも支持を呼びかけ、「背水の陣」で再起を期す。

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 山岸は、ほかの3人の活動とは一線を画す。市内全域をくまなく回るほか、SNS(交流サイト)で自らの活動を発信。子育て世代や若年層を中心に、中高年層にも支持を広げていく構え。「日本一前向きな政治」を旗印に連日、街頭演説し市長選を上回る手応えを口にする。

 同様に4人で争った11年(投票率48.78%)はトップが8384票、3人目の当選者は5167票だった。頭一つ抜け出す候補がいなければ「6千票前後がボーダーになる」との見方もある。また、今回の選挙結果が「今夏の市議選、来秋の市長選にも影響を及ぼす」とみる市民もおり、有権者の関心は日に日に高まっていくとみられる。(敬称略)

2023福井県議会議員選挙 各選挙区の情勢は?

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