夢舞台での奮闘に感謝 アルプススタンドに卒業生ら3千人 センバツ石橋

8回、2本目の安打が生まれ盛り上る石橋の応援席=21日午前、甲子園

 第95回選抜高校野球大会第4日が行われた21日、石橋ナインにとって念願だった甲子園でのプレーが実現した。記念すべき一戦に応援団はアルプススタンドの入場上限となる約3千人が集結。イメージカラーのジャンパーをまとった「オレンジの壁」が選手の背中を押した。

 石橋のセンバツ出場決定後、OBや保護者らで組織した「甲子園出場後援会」が同校の協力を得て応援グッズを製作。大半の応援団がオレンジ色のジャンパーを身につけ、キャップ、メガホン、タオルを手に圧巻の景色をつくった。前下野市長の広瀬寿雄(ひろせとしお)会長(64)は「世代が違う人たちが甲子園で一つになった。感無量」と話した。

 21世紀枠推薦3度目でつかんだ夢舞台。スタンドには過去に2度センバツ出場目前だった野球部OBの姿も。2017年、初めて推薦された時の主将、教員入江太一(いりえたいち)さん(23)=千葉県松戸市金ケ作=は「自分たちの代で行けなかった悔しさを晴らしてくれた」と目尻を下げた。

 21年、2度目の推薦時の主将、白鴎大1年小林到(こばやしいたる)さん(19)は「うらやましさも少しある」と胸中を明かし、「自分たちの分も全力で戦ってくれた」とナインをねぎらった。現在は大学で軟式野球をプレーしており、「勇気をもらった」と後輩たちをたたえた。

 試合は0-3で敗北。試合終了後はアルプス総立ちで拍手を送った。「ありがとう」「お疲れさま」。落胆よりも、歴史的な一歩を踏み出してくれた選手たちへの感謝の言葉が絶えなかった。

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