「校長先生の給食クイズ」420回以上 黙食を楽しい時間に 宇都宮市細谷小の竹澤校長

挙手してクイズに答える児童たち

 新型コロナウイルス感染拡大を機に学校給食で続いている「黙食」を少しでも楽しくしようと、宇都宮市細谷小の竹澤昭(たけざわあきら)校長(59)が「給食クイズ」に取り組んでいる。前任校の同市上河内中央小で約3年前に始め、本年度赴任した細谷小と含めて通算で420回以上を実施してきた。新年度以降にコロナ禍以前のスタイルの給食となれば、クイズは終了する予定だが、同校児童からは残念がる声も出ている。

 竹澤校長が給食クイズを始めたのは、上河内中央小に赴任していた2020年6月。新型コロナ感染拡大を受けた一斉休校が明けた際、児童たちが無言で給食を食べる姿を見て「笑顔をプラスしたい」と考え、試行錯誤しながら実施してきた。本年度赴任した細谷小でも続けている。

 クイズは1日1問。主にその日の給食メニューをテーマに、竹澤校長が作成したクイズのフリップを放送室で撮影し、教室のテレビに映して出題している。

 今月13日のクイズは「インド人は牛肉を食べない ○か×か」だった。児童は正否のどちらかに挙手して回答した。正解は「○」で、インドでは牛が神聖な動物だと解説されると、児童はうなずいたり、驚いたりしながら楽しんでいた。

 竹澤校長はクイズの直後、フリップを手にして教室を回り、再出題もしている。クイズに関する駄じゃれを披露すると、児童が一斉に笑顔になったこともあるという。「生き生きとした表情がうれしい」と話す。

 6年杉本優輝(すぎもとゆうき)さん(12)は「先生とおしゃべりしているみたい。クラスも明るくなる」と歓迎する。同池谷和花(いけやのどか)さん(12)は「楽しいので4月以降も続けてほしい」と話していた。

 黙食は昨年11月末に国から緩和の通知が出ており、市教委は各校の判断に委ねている。

「給食クイズ」を出題する竹澤校長

© 株式会社下野新聞社