正面玄関にヒスイ展示 糸魚川市無償寄託、知事、市長ら除幕式 新潟県庁

 新潟県の石「ヒスイ(翡翠)」の展示が22日、県庁舎1階・正面玄関ホールで始まった。同日午前10時から除幕式が行われた。

 新潟県の石「ヒスイ(翡翠)」の展示初日に行われた除幕式

 糸魚川市の誇るヒスイは昨年11月4日、「県の石」に指定された。周知に向けて同市は、フォッサグナミュージアムの所蔵品を県に無償寄託した。
 今回展示されたのは、特別にカットされた緑色ヒスイ(40×30センチ)をはじめ、白色ヒスイ、黒色ヒスイ、薄紫色ヒスイ、青色ヒスイの5種類。LEDライトが美しさを引き立てている。
 除幕式に花角英世知事、森永正幸知事政策局長、米田徹糸魚川市長、楡井辰雄県議会議長、石井修県議と地元・糸魚川市選出の中村康司県議が出席。糸魚川市からは市職員、実現に尽力した「翡翠を新潟県の石にする会」メンバーらも訪れ喜びを共有した。

糸魚川市から「翡翠を新潟県の石にする会」メンバーらが来訪した

◇「価値を全国、世界へ」 花角知事
 花角知事は、ヒスイの宝石的な美しさに加え「文化的、歴史的な価値もより多くの人に知ってもらいたい」と述べ、「県庁には(コロナ禍前は)年間1万人を超える人が来訪し、特に小学生の見学が多い」と紹介。「子どもたちにヒスイを、県のシンボルだと知ってもらいたい」と願った。寄託に感謝し「これからも糸魚川の、新潟県のヒスイの発信にご協力を」と呼び掛けた。
 米田市長は、指定に至った県、県議会の理解や後押しに感謝。糸魚川ユネスコ世界ジオパークにおける二つの魅力、糸魚川静岡構造線・フォッサマグナ、ヒスイを挙げ「新潟県としてヒスイを全国に、世界に発信していただける機会と捉えている。県民、来庁の皆さんに楽しんでいただける環境ができたことを、本当にうれしく思う」と話し、「これからもヒスイを愛してほしい」と願った。

県庁舎1階の正面玄関ホールに展示されたヒスイ。糸魚川市が県に無償寄託した

◇中央日本4県連携事業を実施
 県は来年度の新規事業として、フォッサマグナに関係する中央日本4県(新潟、長野、山梨、静岡)の連携による文化財交流拡大事業を実施する。各県文化財の巡回展やシンポジウムを通じて、県の石・ヒスイを発信する計画。花角知事が取り組みを紹介し、「県民のみならず県外、国外の人にも、新潟の一つの大きな魅力として知っていただける機会に」と展望した。
 引き続き、同市の小河原孝彦学芸員がヒスイのミニ解説を行った。列席者にはパンフレットとともに、ヒスイのかけら、付箋の記念グッズが贈られた。

© 株式会社上越タイムス社