【宇都宮】市は22日の定例記者会見で、乗り合いタクシーなどの地域内交通で、デジタル技術を活用した「予約・配車システム」を27日から順次、サービスを開始すると発表した。スマートフォンやパソコンなどを使ったインターネット予約が可能になるほか、乗りたい車両の現在位置が確認できるようになる。降車時間をあらかじめ指定することも可能で、他の公共交通への乗り継ぎがしやすくなる効果も期待されている。
これまでの配車は電話予約をオペレーターが受け付け、運転手に直接つないだ。運転手は、それまでの経験から送迎ルートを決めるしかなかった。
今後は電話予約とインターネット予約の情報を、市が借りている民間のサーバーで一元管理する。人工知能(AI)を活用して最短の送迎ルートや順番を割り出し、運転手に専用タブレットを通して指示する。ネット利用者には到着予定時刻が表示され、待ち状況が分かるようになる。
ネット予約は24時間可能。従来の電話予約も受け付ける。予約の必要がない「定時定路方式」を採用している清原、石井両地区では、運行中の車両の現在地を画面で確認できるサービスが提供される。
市内では現在、約50台の乗り合いタクシーが地域内交通として稼働しており、年間約10万人が利用している。まず27日から清原、国本、篠井、富屋、横川の5地区で予約・配車システムのサービスが始まる。他の地区は4月以降開始となる。
佐藤栄一(さとうえいいち)市長は会見で「インターネット予約の使い方が慣れていない人向けには使い方教室や体験会などを開き、市民の利便性向上につなげたい」と話した。