現新4人が立候補 神奈川県知事選挙告示 一騎打ちの前回から一変 投開票は4月9日

統一地方選のスタートとなる知事選が告示され、候補者の街頭演説に多くの人たちが集まった=23日午後、JR桜木町駅前(花輪 久写す、画像の一部を修整しています)

 第20回統一地方選の幕開けとなる神奈川など9道府県知事選が23日、告示された。神奈川県知事選には4選を目指す現職と、新人3人の計4人が立候補した。現職の3期12年にわたる県政運営の是非が最大の争点。人口減少局面の到来で深刻化する少子高齢化への対応のほか、新型コロナウイルス禍や物価高で傷んだ社会経済活動の立て直し策などが問われる。4月9日の投開票に向け、17日間の論戦の火ぶたが切られた。

 立候補したのは届け出順に、新人で市民団体代表の岸牧子氏(66)=共産党推薦、新人で医師の加藤健一郎氏(73)、4期目を目指す現職の黒岩祐治氏(68)=自民、公明、国民民主各党の県組織、連合神奈川推薦、新人で政治家女子48党党首の大津綾香氏(30)の4人。大津氏は政治家女子48党公認で出馬。岸、加藤、黒岩氏は無所属で立候補した。

 岸氏は市民活動の経験を踏まえ「ピープルパワーで未来にわたり命と暮らしを守る」をテーマに掲げる。前回に続く挑戦で、再生可能エネルギーの活用や、予算の子育て・教育施策への重点配分を打ち出す。街頭では「再生可能エネルギー100%を神奈川で実現する」と支持を呼びかけた。

 加藤氏は危機管理の強化やロボット産業の集積などを主張。「県に知事直属の危機管理センターをつくる」などと訴えた。

 黒岩氏は感染症対策や障害福祉施策の推進などの実績を強調。コロナ対応の経験とデジタル技術を融合した政策を公約の柱に据える。コロナ対応の出発点となった横浜港を望む広場で第一声を上げ、「どんな危機に見舞われようと、いのち輝く神奈川を守り抜く」と声を張り上げた。

 大津氏は出馬理由に「党の宣伝」を挙げる。藤沢駅前で行った演説では、女性や若者をはじめ、これまで政治への関わりが少なかった人たちの「政治参加へのハードルを下げる活動に取り組みたい」と訴えた。

 3月22日現在の有権者数は771万2133人(男382万595人、女389万1538人)。

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