石丸文行堂・長崎で創業140年 記念の万年筆発売/段ボール遊具一新/店との思い出募集 1年間の記念事業第1弾

創業140周年記念で段ボール遊具をリニューアルした「ぶんちゃんランド」=長崎市、石丸文行堂

 長崎市浜町の文房具専門店、石丸文行堂が23日、創業140周年を迎えた。1年間の記念事業第1弾として、万年筆「瑠璃」を発売。店内の段ボール遊具エリアをリニューアルした。市民から同店との思い出やエピソードを募っている。
 1883(明治16)年、福岡出身の石丸國吉氏が同市勝山町で筆墨製造販売の石丸文具店を開いた。1902年に現名称となり、04年に現在地に移転した。82年の長崎大水害では1.7メートルの浸水被害に遭ったが、4日後に営業を再開した。県内外で店舗を展開し、近年は本店1階に地元事業者の逸品を集めた「長崎マルシェJimo(ジーモ)」を開いた。

創業140周年記念で発売した万年筆「瑠璃」(石丸文行堂提供)

 記念万年筆はパイロット社製。瑠璃はガラスの古い和名で仏教の「七宝」の一つ。地元工房「瑠璃庵」が監修し、紫みを帯びた濃い青色が特長。吹きガラスのペンスタンドに立てるとビードロのような形になる。3万5200円。限定300本。
 「わたしと石丸文行堂」をテーマに、買い物や店員との触れ合い、イベントなどを通じて得た思い出やエピソードを募集中。同社ホームページに募集要項を掲載しており、入賞作品も紹介する。
 遊具エリアは2019年に「ぶんちゃんランド」の愛称で本店5階に開設。段ボールの滑り台やブランコ、回転木馬は子どもが乗ったり、動かしたりできる。西九州新幹線かもめの車両や世界遺産の教会を模した遊具もある。今回、新品と入れ替え、長崎の未来を描いた段ボール壁面アートを掲げた。多目的トイレも整備した。
 田上富久市長らを招いたセレモニーで、5代目の石丸忠直社長は「『イシマル』とも読める140周年は大切な節目。これまで市民の暮らし、仕事、学びに道具を提供してきた。引き続き『手書き』と『長崎』の魅力を国内外に発信し、信頼される店でありたい」とあいさつした。


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