栃木県内中学校の部活動の地域移行を進めるため、県教委は24日、2023~25年度を期間とした「とちぎ部活動移行プラン」を発表した。25年度までに全ての公立中の休日部活動を一つ以上、地域クラブに移行することを目指す。少子化や教員の多忙さなどにより学校部活動の在り方が問われる中、学校と民間スポーツ団体、市町が連携して生徒の活動機会の確保や環境整備に取り組む。
部活動の地域移行を巡っては、国が25年度までを「改革集中期間」と位置付け運営主体を地域クラブへ移行するとしていたが、昨年12月に地域の実情に応じた段階的移行を進める方針に切り替えた。県では21年度から有識者らで組織する検討委員会で議論してきた。
プランでは学校部活動と地域クラブ活動を当面は併存させ、段階的に地域移行を進めるとした。地域移行に当たり県、市町、学校、地域クラブ運営団体それぞれの役割を明記。県は指導者養成や人材バンクの充実、コーディネーターによる助言などを行う。
市町は校長やPTA、地元商工会などで構成する地域クラブ協議会を設置し、関係機関と連携しながら地域の実情に応じた地域移行を目指す。学校は自校の実態や生徒のニーズを踏まえた部活動の今後の在り方を検討するほか、生徒や保護者、教員らの間で合意形成を図る。
部活動は顧問教諭の負担の重さが課題となるほか、少子化や過疎化による活動規模の縮小でチームが組めないなどの実態もある。県内では既に、佐野市田沼東中と矢板中で休日の部活動運営を民間委託する国の実践研究が行われている。
県は23年度からモデル校を拡充するほか、地域クラブで指導するために必要な資格取得への補助も行う方針。県教委は「子どもたちがスポーツや文化的活動の場を失うことなく将来にわたり親しんでいけるよう、地域と協力してプランを進めていきたい」としている。