「サポーターに深く感謝」苦難の9カ月 カリーレ監督、本拠地初勝利

【V長崎―山形】ホーム初勝利を挙げてホッとした表情を見せるV長崎のカリーレ監督(右から2人目)=トラスタ

 昨年6月に就任したV長崎のカリーレ監督が、苦難の9カ月を経て念願の本拠地初勝利を手にした。試合終了後、取材対応のためいったん引き揚げた指揮官は、数分後にもう一度姿を現してゴール裏へ。この日を待ち望んだ多くの人から祝福の歌を贈られて「サポーターには本当に頭が上がらない」と深く感謝した。
 先制されても追いつき、再び追う展開になっても諦めなかった。選手たちにハードワークを求め、控え選手を信頼して惜しまず投入。どちらに転ぶか分からない展開の中、総力で劇的勝利をつかんだ。
 転機はスコアレスドローに終わった第4節栃木戦だ。クラブワーストに並ぶ11戦勝ちなしとなった試合の後、選手と腹を割って話す機会を設けた。正しいと思う意見は快く聞き入れた。戦術や起用法が変わり、これまで指示待ちの傾向が強かった選手たちに主体性が芽生えた。試合内容が見違えるように改善し、アウェーの前節で今季初勝利を挙げていた。
 星を五分に戻したが、J1を狙うチームがここで満足するわけにはいかない。指揮官は「目標があるチームはホームで必ず結果を出さないといけない。勝ち点を稼げるだけ稼いで、喜びを分かち合いたい」とさらに上を見据えた。


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