遠藤先生は「ちゃめっ気たっぷり」 妻・順子さん演じた竹下景子さん 長崎で思い出語る

トークショーであいさつする竹下景子さん=長崎市、長崎ブリックホール

 遠藤周作(1923~96年)の生涯を描いた99年放送のテレビドラマ「夫の宿題」で妻順子さんの役を演じた俳優、竹下景子さんのトークショー(長崎市主催)が25日、同市茂里町の長崎ブリックホールであり、約260人を前に撮影の思い出などを語った。
 市の遠藤生誕100年記念事業の一環で、ドラマの上映会と併せて開催。竹下さんは当時、軽井沢にあった遠藤家の別荘で撮影があったことに触れ「ここに先生がいらした、と思いながら撮影した」と述懐。雑誌の企画などで若い頃の遠藤と2度対談しており「ちゃめっ気たっぷりの先生だった」と振り返った。
 今回の来崎で訪れた市遠藤周作文学館について「ずっと、先生にとっての神と対話を続けていらした。その深い気持ちの一端に触れた気がした」と感想。代表作「沈黙」の重要場面の朗読も披露し、「いつの時代も繰り返し読み継がれてほしい作品。人生は決して平たんでない中で、どうやって生きていくかの一つのよりどころになる」と語った。
 またトークショーに先立って、77年に遠藤が長崎で講演した際の録音の一部が会場で公開された。遠藤は「日本で一番好きな町は長崎。何回来てもくめども尽きぬ味がある町」と述べていた。


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