「無事」を伝える黄色いタオル 三浦の団地で防災訓練 住民高齢化、災害時に安否を迅速確認 8割以上の世帯が参加

訓練でベランダに掲げられた黄色いタオル=19日、三浦海岸ハイツ(同ハイツ自主防災会議提供)

 神奈川県三浦市内有数の規模を誇る同市南下浦町上宮田の団地「三浦海岸ハイツ」で19日、防災訓練が行われた。8割以上の世帯が参加し、黄色いタオルをベランダに掲示して安否を確認する訓練を初めて実施した。

 京急線三浦海岸駅に近い同団地は930人が生活する市内有数の集合住宅。70歳以上の住民が47%を占めるなど高齢化が進み、大規模災害時の救護活動が課題となっている。

 黄色いタオルは安否確認用のグッズ。災害時にベランダなどに掲示して無事を周囲に知らせることで、救助が必要な人の早期発見につなげることができる。

 安否確認訓練は同ハイツ自主防災会議が主催。各世帯で同居者全員の安全を確認した後、同会議から事前に配布された黄色いタオルをベランダに掲げた。これを各棟の防災担当者が確認し、無料通信アプリLINE(ライン)で本部に報告した。

 訓練には対象戸数の83%に当たる369戸が参加し、1時間以内に全18棟の確認作業を終えた。同会議の原柳作防災隊長は「災害時には迅速に安否確認し、適切な救護活動につなげたい。今後はタオルを掲示する災害規模の周知にも努めたい」と話していた。

 安否確認訓練の後には近くの公園で初期消火訓練や煙の疑似体験が行われ、280人の参加者にレトルト食品とミネラルウオーターが配布された。

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