悲しみ今もなお 栃木・那須雪崩事故から6年 犠牲8人の名刻む【動画】

那須雪崩事故で亡くなった8人の名前が刻まれたネームプレートに触れる遺族の奥勝さん=26日午前11時10分、大田原高

 那須町で2017年3月、登山講習会に参加していた大田原高の生徒7人と教員1人の計8人が亡くなった雪崩事故の合同追悼式が26日、同校で営まれ、遺族や関係者約50人が8人を哀悼した。27日で事故発生から6年を迎える。

 昨年建立された慰霊碑の前に、8人の氏名を刻んだプレートが新たに設置され、冷たい雨が降りしきる中、遺族はいとおしそうに一人一人の名を見詰めた。

 遺族と県教委、県高校体育連盟による追悼式では、1分間の黙とうの後、教員でただ一人犠牲となった毛塚優甫(けつかゆうすけ)さん=当時(29)=の母愛子(あいこ)さん(65)が「大切な息子たちに会えなくなって6年がたった。毎朝目覚めると息子がいない現実に絶望し、涙のない日はない」と癒えない悲しみを語った。

 阿久澤真理(あくさわしんり)県教育長は8人の名前を読み上げ、「輝かしい未来を奪ってしまった」と謝罪。「事故の教訓を後世に伝え続け、決して風化しないよう取り組む」と誓った。吉成卓(よしなりたかし)県高体連会長も追悼の言葉を述べた。

 参列者全員が献花台に花を手向け、冥福を祈った。

© 株式会社下野新聞社