防カメの死角を選んだ…営業中の建材店に放火の元従業員、起訴内容認める 「知的障害ある」弁護側が説明

さいたま地方裁判所=埼玉県さいたま市浦和区高砂

 昨年6月、埼玉県草加市の「総合建材センター建デポ草加瀬崎店」の商品に火を放ち、同店を全焼させたとして、建造物等以外放火の罪に問われた、元同店パート従業員で無職の男(32)=越谷市花田6丁目=の初公判が28日、さいたま地裁(佐々木一夫裁判長)で開かれた。男は「(間違い)ありません」と起訴内容を認めた。

 冒頭陳述で検察側は、男は同店で品出しや見回り業務などに従事していたが不慣れな接客もあり、ストレスを抱えていたと指摘。店長に相談してストレスを解消していたが、「店長が異動で代わると相談できなくなり、ストレスがたまったことで、防犯カメラの死角を選んで火を付けた」と述べた。

 一方弁護側は、男は心神耗弱に当たらない程度の知的障害を抱えていると説明した。

 起訴状などによると、男は昨年6月13日午後4時55分ごろ、草加市瀬崎6丁目の「総合建材センター建デポ草加瀬崎店」(鉄骨平屋、床面積約1602平方メートル)の靴売り場で、陳列された商品に火を放ち、多数の従業員や客がいた同店に燃え移らせるなどしたとされる。

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