マジェスティ ロイヤル ドライバーを筒康博が試打「XとGが合体したモデル」

マジェスティの人気作 HS40m/s台のクラブフィッター評価は!?

高級ブランド「マジェスティ」から、人気の高いフラッグシップモデル「マジェスティ ロイヤル ドライバー」をピックアップ。前作以上に低深重心化されたチタンモノコック(卵の殻のような単一板状)ボディにより、インパクトの力をロスなく初速に変換するという新作を、ヘッドスピード(以下HS)の異なる有識者3人が採点。ご意見番クラブフィッター・筒康博の評価は!?

「所有感と性能が両立 常にハイドローが打てる」

程よいドロー弾道で終始安定していた

「軽量モデル(クラブ重量:296g ※硬さSの場合)なので、もちろん軽快に振りやすく、ドローバイアスが十分かかっているため、ボールのつかまり具合も実感できます。比較的にスピン量は多めで、高い打ち出し角を得られ、慣性モーメントも高いのでヘッドブレも小さい。ハイドロー弾道を繰り返し打てる性能に仕上がっています。逆を言えば、意図的にフェードやローボールを打つ操作性は、あえて備えていません」

最高の素材、テクノロジー、匠の技の結集をテーマに開発された

―前作(2021年モデル)と比べると?
「前作は重厚的な外観イメージから、少しシニア向けの要素が強かった印象です。今作は、他社のツアーモデルも少し意識した若々しさを感じ、構えやすく振りやすいだけではなく、シャフトを含めたクラブとしてのトータルバランスが優れている印象を受けます。弾き感のみが際立っていた前作と比べ、飛びも安定感も、全体的な性能のブラッシュアップが図られたドライバーに仕上がっています」

アドレス時の上から見た印象は「フェース面が視認しやすく構えやすい」と筒

―シニア向けの性能は変わっていない?
「性能は大きく変わっていませんが、ここ数年でシニア層が求めるドライバーのニーズが変化し、それに応じて『マジェスティ ロイヤル』も変わってきたといえます。ボール初速や弾道の高さが突出したモデルではなく、やさしさと飛びを両立しながら、見た目はアスリートモデルと同じ引き締まったボディ。高級感のみを求める人だけではなく、性能面も考慮して選ぶ人にもリーチした新たな『マジェスティ』といった印象です」

強靭なTi-613製の高強度素材を採用した「3Dエナジャイズフェース」

―他社でいうと類似モデルは?
「そうですねー…、やさしく飛ばすモデルの代表格・ダンロップ『ゼクシオ(XXIO)』と、ブレずに飛ばす代表格・ピンの『G』シリーズが合体し感じでしょうか(X+G)。『ゼクシオ』が長年培った安定感に、ピンがここ数年で構築した圧倒的なブレなさと初速性能が合体した感じ。“足して2で割った”という表現がありますが、“足して2で割っていない”2モデルが融合せずに、そのままくっ付いた雰囲気を感じます」

左が今作23年モデルの純正シャフト「LV550」、右が前作21年モデルの「LV540」

―同社のややアスリート向け「CONQUEST ドライバー」とはどう違う?
「ラウンド回数の多いアスリート系のシニアゴルファーの心には、『CONQUEST』より『―ロイヤル』のほうが刺さるクラブになった気がします。というのも、『CONQUEST』は他社モデルと同等の価格帯で(税込:9万9000円)、『―ロイヤル』(13万8600円)と比べて敷居は低く、若い層は手に取りやすい。ただ、性能だけでなく所有感もアップさせたいシニア層は、低価格はそれほど魅力に映らないため、逆に『―ロイヤル』の価値が見直され、興味を抱く人が増えるように思います」

「静かな挙動で当たり負けしないシャフトが◎」と筒

―どのような人向き?
「他の人が持っていない、自分だけが持つことができる所有感を満たしてくれるモデルですので、今まで軽量のカスタムや地クラブを使っていた人向きといえるでしょう。大手メーカーの性能では満足できない、こだわりの強いゴルファー。多くの人が望むモデル以上の価値を、見た目にも性能にも求める人には、すごく好印象に映る一本だと思います」

飛距離だけではない全体的バランスが向上【総合評価4.5点】

【飛距離】4.5
【打 感】4.5
【寛容性】5.0
【操作性】4.0
【構えやすさ】4.5

・ロフト角:10.5度
・使用シャフト:マジェスティ LV550(硬さS)
・使用ボール:リトルグリーンヴァレー船橋専用レンジボール

取材協力/トラックマンジャパン株式会社、リトルグリーンヴァレー船橋

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