開幕直前のトレード フィリーズがアスレチックスからパチェを獲得

日本時間3月30日、レギュラーシーズン開幕が翌日に迫るなか、フィリーズとアスレチックスのあいだで1対1のトレードが成立した。フィリーズはマイナーの救援右腕ビリー・サリバンを放出し、元トップ・プロスペクトのクリスチャン・パチェを獲得。ロースターの枠を空けるために、左膝前十字靭帯を断裂しているリース・ホスキンスを60日間の故障者リストに登録した。パチェはマイナー・オプションが切れているため、フィリーズの開幕ロースター26人に含まれることが確実となっている。

現在24歳のパチェはドミニカ共和国出身で、2021年シーズン開幕前には「MLBパイプライン」のプロスペクト・ランキングでメジャー全体12位という高評価を受けていた元有望株。しかし、メジャー昇格後は打撃面で苦戦が続き、レギュラー定着が期待された昨季も91試合で打率.166、3本塁打、18打点、2盗塁、OPS.459と結果を残せなかった。ただし、マイナー時代から評価の高かった守備面では、守備防御点+5、OAA+8をマークするなど、実力を発揮。打力さえ向上すれば、文句なしのレギュラーになれるはずだ。

フィリーズの外野陣は左翼カイル・シュワーバー、中堅ブランドン・マーシュ、右翼ニック・カステヤノスという布陣が予定されているが、両翼の2人は守備に大きな不安を抱えている。試合終盤にはマーシュを両翼のどちらかに移し、守備固めとしてパチェを起用するケースが多くなりそうだ。また、パチェの打力向上次第ではあるものの、右打者のパチェと左打者のマーシュでプラトーンが形成される可能性もある。

アスレチックスが獲得したサリバンは2020年6月にドラフト外でプロ入りした23歳の右腕。昨季はマイナーAA級で44試合(うち2先発)に登板して51イニングを投げ、5勝1敗2セーブ、4ホールド、防御率4.59、77奪三振を記録した。球団公式サイトでは「94~97マイルの速球と80マイル台前半のスライダーを投げる」と紹介されている。

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