男(19)を強盗傷害で起訴 広島地検 初の特定少年 実名公表 「重大な事案で地域社会に与える影響も深刻」

去年12月、広島市で起きた強盗事件で、広島地検は31日、19歳の男を強盗傷害などの罪で起訴し、実名を公表しました。広島地検が特定少年の実名を公表するのは広初めてです。

強盗傷害と住居侵入の罪で起訴されたのは、神奈川県海老名市の無職の男(19)です。

起訴状などによりますと、男は、ほかの数人と共謀して、去年12月、広島市西区の時計等販売買取専門店の店舗兼住宅に、宅配業者を装って押し入り、ここに住む男性の頭を工具のようなもので殴るなど、親子3人にけがをさせたほか、現金約250万円と2400万円相当の腕時計など約136点を奪ったとされています。

男性は意識不明の重体です。

認否について、地検は明らかにしていません。

男は2月3日逮捕された当時18歳で、広島家裁に送致され、その後、横浜家裁に移送。横浜家裁は22日、「金品を強奪しようと考えた動機に酌むべきところはなく、相当に悪質な事案で、刑事責任を明らかにするべき」などとして、検察官送致(逆送)していました。

起訴されたことで、男は、20歳以上と同様に、刑事裁判を受けることになります。

4月に施行された改正少年法は、18・19歳を「特定少年」と位置づけ、起訴後は実名報道が可能となりました。広島地検が特定少年の実名を公表するのは初めてです。

広島地検は「重大な事案であり、地域社会に与える影響も深刻であることから、諸般の事情を考慮して実名を公表することとした」としています。

この事件で警察は、「実行犯」を8人とみていて、これまでにこの男を含む、6人を強盗殺人未遂などの疑いで逮捕…。検察はこのうち4人(男を含む)をいずれも強盗傷害など罪で起訴しています。

※RCCは今回、結果の重大性や社会への影響の大きさなどを総合的に判断した結果、特定少年の被告を、地上波の放送で実名で報じることにしました。インターネット上では現段階では、匿名としています。

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